本書はアマチュアのゴルファーによるゴルフのレッスン書である。著者は40年以上もの長きにわたってゴルフを続けてきた人物である。長年の取り組みから抽出したゴルフのエッセンスを明らかにしたのが本書である。
本書の大部分は効果的なボールの打ち方の説明に費やされている。とても具体的で実践的な内容になっている。飛距離を伸ばし、スコアを縮めるための方法をシンプルにまとめている。
プロでもシングルプレーヤーでもない著者だからこそ、失敗を繰り返し、試行錯誤を重ねることで効果的な理論を会得できた。体力に恵まれ、優れたコーチに正しいフォームを叩き込まれるプロは往々にしてスキルを無意識的に身につけてしまう。そのようなスキルを人に伝えることは難しい。優れた選手が優れた指導者であるとは限らないと言われる所以である。その意味でアマチュアならではの着眼点で書かれた本書の意義は大きい。
日本ではゴルフは中高年も取り組むスポーツとして普及している。しかしゴルフ人口の中に本当に好きでゴルフをしている人が、どれくらい存在するのか疑問である。付き合いや接待でしている人も多いのではないか。組織の中で他人がしているのからするという特殊日本的集団主義に汚染されているだけではないかとも思われる。
しかし、本書を読むとゴルフが立派なスポーツであることを改めて実感させられる。第2章第7節では「効果的な練習法」と題して練習時の注意事項をまとめている。ここでは練習前に体を温めることやゴルフシューズを履いて練習することという基本的な指摘も記述している。本書は読めば効果を出せることを意図しているが、決して安易な方法を提供するものではない。スポーツとしての基本を押さえる必要がある。
さらに練習後には整理体操を推奨した上で、著者が帰宅後に行っている真向法を紹介する。真向法はゴルフとは関係なく、血液の循環を良くするための健康体操である。ゴルフの上達は健康づくり、体づくりとも密接に関係する。