第一印象は、職業・資格一覧、電話帳の広告ページを見ているが如し。後で見たら確かに帯に「本書では定年後の選択肢が無数にあることを提示した。」「悔いのない8万時間のためのヒント満載ガイダンスの決定版!」と書いてあった。著者は長い年数をかけて定年退職者の取材を続け、多くの声を聞いて各人の様子を紹介する内容になっている。色々なジャンルに分け、例えば第二章仕事を創る、第三章たのしむ、学ぶ、第四章家族を見つめる等々となっているのはいい。但しその個別具体例は、大体5行〜6行で目まぐるしく、記述に深みがない、単に現役時代何をしていた人が、定年後にこう考え、こうして、今はこんな風にどうこうしている、全編に渡ってこれの連続ではかなわない。登場人物をもっと減らして、定年前後の迷い、定年後の生活ぶり、新たにトライする状況・努力風景を詳しくじっくり描いて欲しかった。そもそもが早期退職した人、定年を迎えた人から、80歳代、90歳代の人までの事例が、本書の中で同居では、読者として私とは波長が合わない書であった。50歳代、60歳ならこれからどう生きるかの指針を示す事例を、70歳以降なら老後をどう元気に生きているかの事例を、読者層に分けて2分冊で出版すべきだ。団塊の世代の定年に焦点を合わせて本書を出版したなら、前篇は参考になり役にたつはずだ。同じ新書版であれば、「五十歳からの人生設計図の描き方」(角川)、「現代老後の基礎知識」(新潮)、「54歳引退論」(筑摩)、「週末起業」(筑摩)の方がずっと役に立つ情報が一杯であった。