『本格的』の「第一講 変態」に登場した変態数学者・増田米尊が主人公の連作短編集。
普段は冴えない中年男に過ぎない増田が、極度に興奮すると、まさに“変態”
したかのような天才学者に変貌する、という何ともトホホな設定が堪りませんw
また、増田の特異な生態を研究対象にしている大学院生の千田まりや増田を巧みに
“変態”状態に追いやり、その超人的な推理力が真相究明に向かうよう仕向けていく
増田最大の理解者(?)谷村警部補などの脇役たちもそれぞれ個性的で面白いです。
ちなみに、本作の各話の題名は全て、ジョン・ディクスン・カーの作品から
採ったものなのですが、その理由は、本作を読み終えると理解できます。
そして、何といっても、連作を通じて仕掛けられているギミックが素晴らしいです(“黒幕”は想定の
範囲内でしたが、実行犯の正体を隠蔽しつつ、“○○○=犯人”を成り立たせているのには脱帽)。
本作は下ネタ満載ではありますが、けっしてお下劣ではなく、最後にしっかり驚かせて
もくれるので、これまで敬遠されていたミステリ好きの方は、ぜひ読んでみてください。
※各話の内容については、「コメント」をご参照ください。