性器・性交描写,フェティシズムの分類の部分は,やや退屈。官能小説を読めばでてくる表現を分類して引用しているに過ぎない。
これに対して,冒頭の「官能小説の文体の歴史」は一読の価値あり。SM御三家(団鬼六・千草忠夫・蘭光生),ポルノ御三家(川上宗薫,宇能鴻一郎,富島健夫。この3人に泉大八他を加えて「ポルノ六歌仙」とも言われる),美人ポルノ作家御三家(丸茂ジュン,岡江多紀,中村嘉子)など,官能小説(エロ小説,ポルノ小説などとも呼ばれていた)の歴史を簡単に整理している。
また,最後の「官能小説の書き方十か条」も,これを読めば何となく官能小説が書けるようになるような気にさせてくれる辺り,悪くない。なお,第10条は,「書いている途中でオナニーするな」。《パワーが落ちて,書き進める気がなくなってしまう》(203頁)から。もっともである。