最近新聞を読まないビジネスマンは多いと思いますが、なぜ新聞がおもしろくないのか、本書を読んで改めて納得。 同時に新聞社の怠慢が私たちの社会に甚大な影響を及ぼしているのを実感しました。
本書は、日本語という障壁に守られ、「ガラパゴス化している」という日本の大新聞の内側を書いたもの。 記者が権力・企業からのリーク依存の報道や、いずれ発表になるニュースの先取り報道に血道をあげるあまり、本来の仕事――権力が秘密にしている情報を掘り起こす、独自の分析記事を書くなど――がおざなりになっている様子を描いています。
私は現在某外資系通信社で、国際商品の流れを追っていますが、実はここ数年日本経済新聞はほとんど読んでいません。見出しだけは見ますが。
地球が小さくなり、弊社でもアジア主体の報道に注力しているため、全体からみると日本経済の存在が小さくなったのも一因です。日経は地方紙みたいな感じ。
もっと大きな理由は、紙面が前日の出来事を発表そのまま書いてあるだけなので、読むところがないことです。特に、個人的に絶望感を感じるのは、政治関連の記事です。政治部の記者にとっては、政治家間の人間関係が最大の関心事のようです。肝心の政策検証はお手軽で、素人でも考え付くようなその場しのぎの議論で紙面が埋まっています。腹が立つので、こういうのも読みません。
仕事柄、BBCやNew York Timesのニュースをポッドキャストで聞いていますが、アジアのニュースを発信している、このような信頼できる英語の報道機関がないんですね。
福島原発事故後、政府が放射能物質の拡散予測データを隠していた件では、日本国民は一つ賢くなったのではないでしょうか ――政府・官僚は信用してはいけない。
著者は大新聞がその気になれば、政府発表前に「データ入手も不可能な仕事ではなかったはず」と指摘しています。