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宗教学の名著30 (ちくま新書)
 
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宗教学の名著30 (ちくま新書) [新書]

島薗 進
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

宗教の歴史は長いが、宗教学は近代になって経験科学の発達を背景としてヨーロッパで誕生した比較的歴史の短い学問である。近代人は宗教に距離を取りながらも、人類が宗教を必要としてきたゆえんを直観的に理解し、時に知的反省を加えてきた。宗教学の知は西欧的近代学知の限界を見定めて、芸術・文学・語りや民衆文化の方へと開かれようとする脱領域的な知ともいえる。本書は古今東西の知から宗教理解、理論の諸成果を取り上げ、現代を生きる私たちにとっての「宗教」の意味を考える視点を養う決定版ブックガイドである。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

島薗 進
1948年東京都生まれ。東京大学文学部宗教学・宗教史学科卒業。現在、東京大学文学部・大学院人文社会系研究科宗教学・宗教史学研究室教授。主な研究領域は比較宗教運動論、近代日本宗教史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 286ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/09)
  • ISBN-10: 4480064427
  • ISBN-13: 978-4480064424
  • 発売日: 2008/09
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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By ソコツ トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
30冊の本の選出には、宗教学の歴史の展開が理解できるような配慮がなされつつ、他方で著者のお気に入りの学者や思想家の魅力を紹介することにも意を注がており、説得的だし、興味ぶかい。ヒュームやカントやシュライエルマッハーらの哲学的宗教論から、フレイザーやウェーバーやデュルケムやジェイムズらの宗教(人類・社会・心理)学へと展開する正統的な道筋が描かれつつも、たとえばブーバーの『我と汝』やショーレムの『ユダヤ神秘主義』やヤスパースの『哲学入門』などを通して宗教がもつ超越的な認識や体験の構造が語られ、あるいはホイジンガの『ホモ・ルーデンス』やレーナルトの『ド・カモ』やバフチンの『ドストエフスキーの詩学の諸問題』などにより脱近代的な宗教文化の可能性が想像される。日本人による著作の選択も独自的で、姉崎正治という日本宗教学の開祖ながらやや埋もれた感のある人物の日蓮論や、民俗学勢から柳田国男のみならず近年著作集が出版され始めた五来重(『高野聖』)が選ばれたのに加え、20前世紀を代表する知の巨人の一人である井筒俊彦のコーラン入門書や、海外でも評価の高い湯浅泰雄の『身体論』が取り上げられている。
読み方も、単に個々の作品の紹介に終らせず、今日の研究状況をふまえた上での問題点が指摘され、また今後の新たな読解の仕方についても示唆がなされる。全体的に短文すぎて、食い足りない感があるというか、もっと詳しく論じて欲しいな、といちいち思ってしまったが、この本の趣旨上、無理なお願いだろう。あとは当の名著を自分で読んで(読み返して)みて、自分で考えるしかない。
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形式:新書
宗教学の泰斗・柳川啓一の許から、多くの人材が世に出たが(中沢新一、島田裕巳、四方田犬彦など)、やはり真打は島薗進であろう。

本書は、宗教学、神学、教学、宗教哲学などを学ぶ人にとっては、知識の整理の為の最良の一冊であり、同時に初学者、すなわち宗教についての知識が寡少で、読書・研究のアプローチが今ひとつわからない人にとっては、優れた啓蒙的書物として、その役割を十全に果たすはずである。

古今東西の30人の宗教思想家が取り上げられ、彼らの著作・思想の核(コア)について、10頁くらいの紙面で、簡潔にまとめられている。原典からの引用があり、それに対する敷衍、解説が、たいへん丁寧なしかたで施されている。そこで得た情報を頼りに、原典に進めばよろしいかと思う。

名著が30点紹介されているわけだが、そのセレクションに、ほんの少しだけ不満が残る。まず仏教だが、どうして道元の『正法眼蔵』がないのだろうか。道元ほど禅仏教の哲理に大きな影響をあたえた人物はいまい(と私は思っている)。道元は、17世紀にスピノザが展開した汎神論を、13世紀にすでに先取りしていた。また道元は、デリダやドゥルーズといった、西洋の思想家からも一目置かれているワールドワイドな思想家なのである。フランスにおいて、日本の仏教=禅=曹洞宗=道元といった図式がすでに成り立っている。またデリダに至っては、森本和夫『デリダから道元へ』(ちくま学芸文庫)という書があるのだが、その仏訳文を切に願っていたといわれている(日の目を見ぬままデリダは逝ったが…)。

あと宗教学を語る上で最も重要な著作が、選より洩れていた。宗教現象学の思想家・ルドルフ・オットーが書いた、現代宗教思想の名著『聖なるもの』である。なぜオットーが入っていないのか、私は不可解でならない。同じ宗教現象学の思想家であるミルチア・エリアーデが入っていて、オットーが入ってないとは、由々しきことではないだろうか。そういえば熊野純彦編『現代哲学の名著 20世紀の20冊』(中公新書)でも、どういうわけかサルトルとフーコーが抜けていたしな。何か事情があるのだろうか。

まあ、欲を言えばきりがない。バルト、ティリッヒ、キルケゴール、ウィトゲンシュタイン、レヴィナス、マリオン、デリダ、ヴァッティモなども扱って欲しかった。しかし新書という制約の中で、あれだけの情報をコンパクトな形におさめ、それでいてクオリティーを下げず、宗教学の原典に触れる足がかりにはなりうる書籍をものしたのだから、やはり島薗先生は碩学と呼ぶにふさわしいと思う。また島薗先生は『宗教学文献事典』(弘文堂)の編著にも加わっていらっしゃる。そちらもよろしくね。

※2011月5月5日追記。

島薗氏の書籍のセレクションについて。島薗先生の選ぶ「名著30」は以下の通りである。

1.宗教学の先駆け:空海『三教指帰』/イブン=ハンドゥーン『歴史序説』/富永仲基『翁の文』/ヒューム『宗教の自然史』

2.彼岸の死から此岸の知へ:ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』/ カント『たんなる理性の限界内の宗教』/シュライエルマッハー『宗教論』/ニーチェ『道徳の系譜』

3.近代の危機と道徳の源泉:フレイザー『金枝篇』/ ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』/ フロイト『トーテムとタブー』/ デュルケム『宗教生活の原初形態』

4.宗教経験と自己の再定位:ジェイムズ『宗教的経験の諸相』/姉崎正治『法華経の行者 日蓮』/ブーバー『我と汝』/フィンガレット『論語は問いかける』
 
5.宗教的なものの広がり:柳田国男『桃太郎の誕生』/ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』/エリアーデ『宗教学概論』/五来重『高野聖』
 
6.生の形としての宗教:ニーバー『アメリカ型キリスト教の社会学的起源』/レーナルト『ド・カモ』/エリクソン『幼児期と社会』/ショーレム『ユダヤ神秘主義』/井筒俊彦『コーランを読む』

7.ニヒリズムを超えて:ヤスパース『哲学入門』/バタイユ『呪われた部分』/ジラール『暴力と聖なるもの』/湯浅泰雄『身体論』/バフチン『ドストエフスキーの詩学の諸問題』
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By 哲学する河童 トップ500レビュアー
形式:新書
空海やエリアーデ等、古今東西の30人の宗教に関する名著30冊についてのブックガイド。

一冊につき10ページ弱ぐらいの解説。
また、その短い解説の中でも著者の息づかいを伝えるためにと引用文が多用されている。

やはり一冊一冊についてもう少し掘り下げて欲しいなあとは思ってしまうが、新書という形式上やはり仕方ないのかなと思う。
それでも、読者が30冊の名著を読みたくなるキッカケとなるに十分な面白さを備えていることは素晴らしい。

宗教学をこれから学ぼうと思っている人で何から読めばいいか迷っている人は、とりあえず本書で30冊に絞ってもらうと良いだろう。
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