日本の古代人と神話、星、宇宙など、時空を超えた悠久のロマンを織り上げたストーリー。毎度楽しみにしているシリーズですが、今回も飛びつくようにして買い求め、ひととき、古代日本のミステリアスな空間に遊ばせてもらいました。収録作品は、以下の三つ。
■「再会」(『ビッグコミック』誌 2006年11月〜12月にかけて掲載)・・・・・・かぐや姫の話と、浦島の竜宮城行きの話とを結び合わせ、そこに、南九州の古代海洋民・隼人(はやと)の謎をからめたストーリー。本書の中の白眉の一篇。かぐや姫と浦島の話がひとつに融け合う星野版・常世(とこよ)物語に、胸がじんと熱くなりました。話の中で「月」の世界が美しく輝いている著者の名品「月夢(げつむ)」(『妖女伝説2』所収)未読の方は、そちらもぜひ!
■「テキスト 天空の神話」(同 2006年10月掲載)・・・・・・突然の珍事によって、海上を漂流することになった宗像(むなかた)と忌部神奈(いみべ かな)。満天の星空をバックに、宗像の特別講義と忌部のセクシーな姿が楽しめます。それにしても、作者が○○をいきなり落とす荒業にびっくりしたのは、泡坂妻夫の『乱れからくり』以来やなかろうか。一瞬、目が点になりました(笑)
■「黄泉醜女(よもつしこめ)」(同 2007年1月〜2月にかけて掲載)・・・・・・仮面土偶によく似た三角の石板と、黄泉国神話をからめた話。教授と、美人の宗像三姉妹が引っ張って行く、何ともおどろおどろしい話でした。怖かったなあ。話の中に出てくる謎の古代遺跡「トンカラリン」を取り上げている本では、荒俣宏の『新日本妖怪巡礼団 怪奇の国ニッポン』(集英社文庫)も、要チェック!