たまたま「
<出雲>という思想 (講談社学術文庫)」を読んでいて、よく分からないなぁと思っていたところだったので、本巻の「神在月」は、とても興味深かった。
国譲り神話(日本に従来いた神(オオクニヌシ(オオナムチ)とか)が高天原の神(天つ神、アマテラス、スサノオ)に国譲り)を、古代に行われた日本の覇権争いを象徴するものとの見方には一理がある。
海蛇信仰(第1話の人穴でも海蛇信仰とミシャグチを神話が統合したという話が出てくる)の話にも感心。
出雲大社が48mあったというのもすごい。マヤ文明のティカルの4号神殿(741年建造)が65mあるが、石造りでなく木造で、この高さはすごい。
出雲大社の裏にそびえるオオナムチの神体山の三雲山から嵐の日に姿を現したのは何か?
日本海側に存在する縄文時代の8本柱の巨大木造遺跡(三内丸山遺跡など)との関係は何か?
また、神在月の終わりに、出雲から神様が再び帰って行く場所が「万九千神社」というところだそうで、そんなところがあるとは初めて知った。
また、「鬼の来た道」では、「物部」とは何かに迫っている。「物部」氏が何かは、このシリーズで重要なテーマであるだけでなく、日本の古代史でも重要なキーポイントであろう。
製鉄所と鬼伝説がある場所に関連があるという指摘にはどきどきした。銅鐸や銅矛を作って、神事を行っていたのが、物部氏であるという推理が披露される。
また、鬼の角(ツヌガアラシト)の起源は、ユーラシア・シャーマンにあるとする。
つまり、そこでは物(モノ)と霊(モノ)が融合し、鉄の作り手と神事をなす人と鬼、は同一(のグループに属する人)であるということだ。
「人穴」は、甲賀忍者が秘密の自然の通路を知っていて、それを強みの源泉としたというのは、ある意味、歴史のつじつまと合うところがあると感じておもしろかった。