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父方のホーソン家は、名家でありながら悪名も高い家柄です。先祖には、セイラムの魔女狩り裁判で判事を勤め、罪無き人々を牢獄や死に追いやった人もいます。また、クエーカー教徒を迫害し、土地を追った先祖もいます。ホーソンに魔女狩りに関する小説が多いのは、このためです。従来、この父方の先祖の存在が、ホーソンの作品世界に大きな影響を与えたと言われていました。
しかし、最近の研究で、母方のマニング家の存在も無視できないことがわかってきました。マニング家の中で、最初にアメリカに入植した当主が、実の姉妹二人と近親相姦を犯し、妻に告発されたのです。当主は裁判が始まる前に行方をくらまし、残された姉妹は、胸にIの緋文字(近親相姦を表すincest)をつけ、晒し台に立っています。
父方、母方の先祖が犯した罪過と向き合い、人間の心理を深く探究したホーソンだからこそ、書き上げることができたのが本作です。深く重い話なので、読んでいて大変ですが、掟に縛られた世界の中で繰り広げられる愛憎は、真に迫ります。
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