クルイロフはプーシキンと同時代の人。この寓話集はイソップ寓話、ラ・フォンテーヌの寓話集、そしてロシアの昔話などを参考にして自分の文学的素養を加味させてこの寓話集を完成させた。クルイロフはロシア文学と庶民生活に圧倒的な影響を与えた。特にドストエフスキーの長篇小説ではよくクルイロフの引用がされたり、登場人物をしてクルイロフの言葉を使って相手を揶揄させたりしている場所が沢山ある。またこの寓話集から一般庶民の使うことわざや俚諺が生まれたりしている。例えば「荷車はまだそこに止まっている(物事がいっこうにはかどらない)」「象には気付かなかった(木を見て森を見ず)」「親切なばかは敵より恐い」と、彼の寓話集がいかにロシア民衆の人口に膾炙しているかが見て取れる。