「本能寺の変」については、明智光秀によりどのように反乱が実行され、その原因が何であるか、今日まで多くの人々の関心を集めてきた。本書には異国人宣教師の書き残した「本能寺の変」の記録(第56章)が含まれており、明智光秀の反乱に関心のある人々にはこれらを読み解く上で必読の書であるかもしれない。
また、高山右近や細川ガラシア夫人というキリシタンが輩出した当時の世相を理解する上でも、貴重な資料と言えるだろう。安土・桃山時代が現代日本と遠く隔たった時代でありながら、現代日本に通じる開放的な文化が育まれていたことに驚かざるを得ない。なお、著者が宗教という眼鏡を通して見た中世日本であり、読者は著者が伝える姿に歪みのある可能性も考慮しながら読み進む必要があるだろう。