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完本 1976年のアントニオ猪木 (文春文庫)
 
 

完本 1976年のアントニオ猪木 (文春文庫) [文庫]

柳澤 健
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

1970年を境に勢いを失った世界のプロレス。なぜ日本のプロレスだけが、その力を維持し続けたのか。その謎を解くべく、アメリカ、韓国、オランダ、パキスタンを現地取材。1976年の猪木という壮大なファンタジーの核心を抉る迫真のドキュメンタリー。単行本に大幅加筆し、猪木氏へのインタビューを含む完全版。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

柳澤 健
1960年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒。在学中からまんが専門誌「ぱふ」の編集を手がける。空調機メーカーを経て84年に文藝春秋に入社。「週刊文春」「Sports Graphic Number」編集部に在籍の後、2003年退社。以後、フリーランスとして各誌紙に寄稿。“1976年の猪木”にかかわる人びとをアメリカ、韓国、オランダ、パキスタンに訪ね歩き、07年3月、デビュー作「1976年のアントニオ猪木」を発表する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 493ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/3/10)
  • ISBN-10: 4167753650
  • ISBN-13: 978-4167753658
  • 発売日: 2009/3/10
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 21世紀のケインジアン トップ500レビュアー
形式:文庫
40歳以降の男性で、その昔に金曜日夜8時にNETテレビ(現テレビ朝日)の前に座っていた人には感涙モノの本である。

 プロレスとは、いまでは当たり前の話なのだが、ストーリーと役割がはっきりしているイベントである。その頃はまだまだ高校生の私も熱狂的になっておったが、その点においても猪木という男は天才的でありました。

 企画、脚本、演出、主演、監督をすべて一人でやってのけ、それが完璧なファイトとして世の大人・子どもは熱狂と化した。いや、猪木だからこそであり、馬場さんのプロレスにはこの熱さと危機感と悲壮感はありえないのだ。

 しかし、その長い猪木の歴史、いや、力道山、馬場から続くプロレスの長い物語の中で、「1976年」のみが、この一年のみが「リアルファイト」(ガチンコ)を行った唯一、稀な年なのだ。なぜ、猪木は「リアルファイト」という殺伐としたリスクの多い行動に出たのだろうか。そこには深いわけがある。

 1)対 ウィリアム・ルスカ戦
 2)対 モハメッド・アリ戦
 3)対 パク・ソンナン戦
 4)対 アクラム・ペールワン戦
 いずれも1976年に行われている。

 正確に言えば、対ウィリアム・ルスカ戦はシナリオのあるファイトであった。戦前には完全秘密の道場で、バックドロップ3連発でKOに至るまでの筋書きを何度も練習したらしい。しかし、実際の試合は、これぞ「異種格闘技!」という画期的なシナリオの始まりだった。

 対モハメッド・アリ戦は、「シナリオ付きプロレスをしよう」と誘っておいて、直前に「リアルファイト」だ!と金儲けを楽に出来ると信じて来日したアリにけしかけ、怒ったアリはひと悶着を起こしながらも、最後は飲んだ。
 これはテレビやプロレス本に出てくる「伝説」とはまったく事実が異なるのだと著者は書いている。
 
 プロレスの裏側を「暴露」するのがこの本の目的ではない。一人一人の登場人物のその時代の背景がしっかりと書き込まれており、気がつけば、私は感嘆の連続で、途中からページをめくるのも、もどかしいくらいにこの本に没入してしまっていた。

 素晴らしい第一級のノンフィクションである。ある意味、猪木の裏側をえぐりだしている。しかし、けっして猪木礼賛の書ではない。

著者はそれでもなお言う、アントニオ猪木はやはり天才である!と。
このレビューは参考になりましたか?
28 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By TaroTaro トップ500レビュアー
形式:文庫
07年刊行の単行本に加筆、そして単行本刊行“後”に実現したアントニオ猪木へのインタビューが掲載された一冊。

著者のプロレスに対する立場は、「プロレスはスポーツではない。プロレスラーは勝利を目指さないからだ。よくプロレスは八百長などといわれるが、正確には違う。八百長試合ならばどんなスポーツにもある。普段は真剣勝負を戦い、時々負けてやるのが八百長である。一方、プロレスのリング上では真剣勝負は禁止されている。勝者と敗者を決めるのは観客の欲望を代行するプロモーターであり、レスラーではないのだ。(p68)」というものだ。

しかし、“プロ”レスラーでもあり同時に新日本プロレスの社長でプロモーターでもある猪木が、1976年に限って、ルールを逸脱したリアルファイトを行ない、それ以降は行なわなかったのかという理由を探ったのがこの作品だ。

よって、著者のこの立場に拒否反応を示す人(著者の見方を全面否定する人はいないと思うが)にとっては無用の一冊だ。

私自身はここ数年プロレスを観ることはなくなったのだが、熱心なファンだった頃の見方は、最初は単純にプロレス最強を信じる純粋な?ファンだったものが、いろいろ内幕を知ってからは、筋書きのある試合の中で本当に強いプロレスラーが一瞬みせる本気(相手との格の違いをみせつける瞬間)を見つけて喜ぶというものに変化していったのだが、そんな私にとってこの一冊は非常に興味深い作品だった。解説の海老沢泰久がこの本を「歴史書」と定義づけたのも頷ける。

著者は、文庫化にあたって「完本」と題した大きな理由を、単行本刊行時に猪木に拒否された猪木自身へのインタビューが実現したことにあると記している。たしかに、この一冊は、猪木自身の言葉で語られる「1976年のアントニオ猪木」が収録されなければ完結しないと思われる。勿論、猪木自身が著者の問いに対し、全てを明確に語っているわけではない。当たり前だが、自分に都合が悪くなることははぐらかしている。で、本当のところはどうなの?ともどかしくなる箇所もある。インタビューによって著者が主張したことが真実であると明確になったわけではない。

私は、このインタビューが掲載された雑誌ナンバーの定期購読者なので、このインタビューが掲載された号を読んでいるはずなのだが、殆んど記憶に残っていない。しかし、本編を読み終わった後、巻末に収録されたものを読むとこのインタビューが非常に興味深い内容だったことがわかる。

経緯はどうあれ、単行本刊行前は取材を拒否した猪木が、刊行“後”にはインタビューを受けたという事実にこの作品の価値があると感じた。
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16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ジジ
形式:文庫
数あるプロレス本の中でも、稀に見る大傑作だと思う。
あの時の猪木の輝きを見事に活写している。猪木と馬場の確執や壮大なアリ戦のドキュメントは、こういう見方もあったのかと感心した。
著者には、プロレスに対する気色の悪い、ねじくれ曲がった偏愛がまったく見当たらず、そうした意味でも、至極まっとうな本だと思う。

これを読んで、あの日、あの時の猪木を嫌いになる人などいないと思う。
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