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完本 風狂始末―芭蕉連句評釈 (ちくま学芸文庫)
 
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完本 風狂始末―芭蕉連句評釈 (ちくま学芸文庫) [文庫]

安東 次男
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

『芭蕉七部集評釈』正(1973)・続(1978)は、連句評釈という形式を借りて、徹底的に蕉風とは何かを追求し、識者の世評を上げた。以来十余年、さらに新釈を志し、『風狂始末』(1986)『続風狂始末』(1989)『風狂余韻』(1990)を上梓した。そこで、付合とは何か、言葉とは何かを、各歌仙の趣向と併せて、極めて緻密な考証と研ぎ澄まされた想像力を駆使してスリリングに読み解く。ここに、芭蕉とその一門の人間ドラマが展開される。読者は、本書を繙くことによって、その連句のはこびの緊迫した対話の場へと引きずり込まれる。著者のライフワーク、芸術選奨文部大臣賞受賞の画期的名著。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

安東 次男
1919‐2002年。岡山県生まれ。東京大学経済学部卒。詩人、俳人、評論家。号は流火。1941年ごろから加藤楸邨に師事、「寒雷」に投句。のちに詩作に転じたが、壮年以後も句作を続け、格調高い作風を示し、句集『流』で詩歌文学館賞。その間、『澱河歌の周辺』(読売文学賞)など、鋭い感性と精緻な読解による秀抜な批評活動を行なう。また、エリュアール、サガン、アラゴンなどフランス文学の翻訳多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 701ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2005/03)
  • ISBN-10: 4480089012
  • ISBN-13: 978-4480089014
  • 発売日: 2005/03
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.8 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 詳細綿密に芭蕉連句を読み解く, 2006/6/25
By 
宣長さん "hoelderlin on sirius" (香川県観音寺市) - レビューをすべて見る
(トップ50レビュアー)   
レビュー対象商品: 完本 風狂始末―芭蕉連句評釈 (ちくま学芸文庫) (文庫)
 著者には連句評釈『芭蕉七部集評釈』があるが、さらに詳しく新釈を加えた労作が本書である。「狂句こがらしの巻」(『冬の日』)の歌仙から書き起こし,この連句がどのように展開しているか、付け合いを極めて綿密に、執拗と思われるほど考証追究している。連句というものは、一般の人が読んだだけで容易に分かるものではないが、それをこのように懇切丁寧に解説してくれると、じっくり時間をかけて読んでいけば、その真髄に触れることができる。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「風狂始末」より安東次男が詩を捨てた理由を探る, 2010/1/17
レビュー対象商品: 完本 風狂始末―芭蕉連句評釈 (ちくま学芸文庫) (文庫)
安東次男を代表する詩、“人それを呼んで反歌という”は、彼の詩表現への決別の詩です。その決別の理由を述べているのが、この『風狂始末』なのだと思います。彼はそのフランス語の学習を通じて「言葉とイメージの結びつきや、イメージの重層性」について惹かれるようになっていきました。しかし日本語の現代詩にそれを求めても不可能なことがわかり、芭蕉の歌仙の句の付け方(前後関係)にそれを求めるようになっていったのです。『芭蕉七部集評釈』ではしばしば「前の句に匂い付けをした…」とありますが、『風狂始末』においてはそれは一箇所しかなく、しかも括弧付きです(どこにあるのか、この本を買って探してみましょう)。大岡信との対談(著作集3巻457頁)で、彼は“「梅が香」の巻は、いわゆる匂付としての展開の妙がある。そういう、ことばのもつ意味と心の二重構造みたいなものが、虚実相補ってはこばれている。”と述べています。「匂い付け」を「虚実の取り出しと奪い合い」に置き換え、より厳密な態度で「言葉とイメージの結びつきや、イメージの重層性」をみていこうとしたのが『風狂始末』なのだと思います。以上は私個人の思い(あるいは思い込み)なのですが、『風狂始末』は拾い読みであっても読者を魅了し感嘆させてしまいます。実際に連句が巻かれているときの人間関係についても、精密に考証しているからです。とくにすごいのが「鳶の羽」の巻の冒頭部と「梅が香」の巻のラストで、これは300年以上もされてきた評釈を一蹴しています! これだけでも読み応えがある本です。ハードカバーの『風狂始末』は『芭蕉七部集評釈』よりの抜粋が別冊としてつけられていますが、両者を比較しようとするならば、むしろ『芭蕉七部集評釈』の「花見」の巻か「夏の月」の巻を読んだほうがいいと思います。斜めに構えていうと、ハードカバーを選ぶ意味はないのかもしれません。この小さな文庫本のなかにあるのは、安東次男の博識さ、知性、暴力的なまでの言葉の解体・再生能力、そして詩の感性です。さぁ、それをあなたのポケットにいれましょう。
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