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最も参考になったカスタマーレビュー
34 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
将来確実に古典となる1冊。ただし難解,
By 時事無斎 (北海道) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 完本 管絃楽法 (単行本)
長らく絶版で入手困難だった伊福部昭『管弦楽法』を、体裁を一新して1冊にまとめた新装版。出版元が手間をかけ、読者が待たされたかいあって、内容は十二分に期待に応える出来ばえと言える。将来、ベルリオーズやリムスキー=コルサコフの著作と並んで確実に古典とされる1冊だろう。本来が理系出身の著者だけあり、オーケストラや音楽一般の話に留まらず、物理的な音響学や音響心理学、我々が日常使う言語までも含めた「音」全般に関する話題など、単なる観念的・感覚的な抽象論ではなく科学的な視点から音楽を分析しようとする意識がうかがえる。例えば今あなたがアイウエオと発音したとして、その各音の間に音程の違い(それも、ランダムではなく規則性を持った)があることにお気づきでしょうか。むろん、通常の楽器各論やオーケストラの集団としての用法についても詳しく記述され、まさに管弦楽に関する知識の集大成となっている。ただし、他書によく見られる指揮法の解説はない。一方、楽器名・専門用語にはイタリア語や英語がそのまま使われ(ジャズまでJazzと書かなくても…)、執筆当時黎明期だった電子楽器の発音原理の説明もあるなど、内容は非常に高度かつ難解で、完全に上級者向け。このため、初心者がいきなり読むと何が何だか分からなくなって挫折する危険性も高い。本書を完全に理解しなければオーケストラ作品が書けないわけでもないので、入門者の方は、まず他書で基本的な用語や楽器の種類を知り、ある程度実地に作品も作ってから読むことをお勧めしたい。 あと、海外の翻訳者・音楽出版社の方へ。クラシック音楽後発国・日本の、少し古い本とはいえ、本書は間違いなく時代・国境を超えて通じる内容なので、お国での翻訳・出版を考えてみてはいかがでしょうか。
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
古今最強の楽器法指南書,
By 里暁 (江戸根岸) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 完本 管絃楽法 (単行本)
オーケストラで使われるあらゆる楽器のみならず、使われることが予想される民族楽器、20世紀に開発された各種の電気楽器にいたるまで、個々の楽器の詳細な説明が網羅され、主な楽器については、ありとあらゆる技法について譜例付きで説明されている。その詳細さは駄目な楽器法の例とか、時にソロホルンの重音奏法という殆ど使われない非常にトリビアルなものにまで触れていて、読み物としての面白さを感じる所も多い。とにかくこれだけの情報の宝庫が面白くないわけがない。作曲家の実際的なマニュアルとして絶大に役に立つだけでなく、西洋の楽器に関する一大百科全書である。このような本が日本人の手によって生まれたということは驚くというよりも、日本人のテクノロジーに対するマニア的な傾向を如実に示しているのだと思う。これを読めることを日本人として誇りに思うし、これを読めない国の人が気の毒だ。
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