まず、何も知らない方のために言っておくと、この本はヒップホップをやりたい人のための解説書ではありません。ヒップホップをネタにした、おふざけ本と言えるものです。
世の中には、ヒップホップの精神性が追いつかない、うわべだけを真似した「フェイク」が多いとの認識から、著者は日本におけるヒップホップの「リアル」を、直衣や位牌や種子島に求めます。平安貴族の「曲水の宴」がMCバトルである、という具合です。これらのトンデモな結論は、しかし、確かに日本の「なんちゃってヒップホッパー」への痛烈なアイロニーとなっています。
ブレイクダンスの技として「ルービックキューブ」が出てくるところなどは相当ムチャクチャでくだらない(笑)ので、自分としてはあんまり面白くなかったのですが、著者の「ジャパニーズヒップホップのリアルとは何か」の分析が楽しめたので良かったです。このノリが楽しめる人にはオススメの本です。