『烏賊川市シリーズ』の3作目,03年08月のノベルス作品の文庫化です.
どうしてもドタバタやユーモラスな掛け合いに目が行きがちですが,
ミステリとしてもしっかりしていて,特に伏線とその回収はおみごと.
あくまでもミステリがあり,その中にユーモアがあるという印象です.
事件の動機にもなる『うんちく』も,無理なく採り入れられているようで,
舞台となっている街のイメージに合わせているあたりにもうまさを感じます.
ただ,読んでいて『あやしい』と気づかされるのが多すぎるようにも思え,
ほかにも,ちょっとイメージの沸きづらいトリックの図解がほしかったです.
なお,タイトルはもちろん,表紙にも猫が前面に押し出されていることから,
作中にも猫たちがたくさん出てくるように感じますが,実際にはそうではなく,
事件の『鍵』という位置づけで,猫好きの方の期待には添えないかもしれません.
あとはタイトル,どうやらダブルミーニングになっているようですので,
これに気づけると(かなり簡単ですが),ちょっとニヤリとできそうです.
一応,シリーズ間の繋がりはありますが,こちらからでもだいじょうぶです.