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完全恋愛
 
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完全恋愛 [単行本]

牧 薩次
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?
*
推理作家協会賞受賞の「トリックの名手」T・Mがあえて別名義で書き下した
究極の恋愛小説+本格ミステリ1000枚。
舞台は第二次大戦の末期、昭和20年。福島の温泉地で幕が開く。主人公は東京から疎開してきた中学二年の少年・本庄究(のちに日本を代表する画家となる)。この村で第一の殺人が起こる(被害者は駐留軍のアメリカ兵)。凶器が消えるという不可能犯罪。
そして第二章は、昭和43年。福島の山村にあるはずのナイフが時空を超えて沖縄・西表島にいる女性の胸に突き刺さる、という大トリックが現実となる。
そして第三章。ここでは東京にいるはずの犯人が同時に福島にも出現する、という究極のアリバイ工作。
平成19年、最後に名探偵が登場する。
全ての謎を結ぶのは究が生涯愛し続けた「小仏朋音」という女性だった。

内容(「BOOK」データベースより)

昭和20年…アメリカ兵を刺し殺した凶器は忽然と消失した。昭和43年…ナイフは2300キロの時空を飛んで少女の胸を貫く。昭和62年…「彼」は同時に二ヶ所に出現した。平成19年…そして、最後に名探偵が登場する。推理作家協会賞受賞の「トリックの名手」T・Mがあえて別名義で書き下ろした究極の恋愛小説+本格ミステリ1000枚。

登録情報

  • 単行本: 441ページ
  • 出版社: マガジンハウス (2008/1/31)
  • ISBN-10: 4838717679
  • ISBN-13: 978-4838717675
  • 発売日: 2008/1/31
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.4 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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カスタマーレビュー

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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 純粋な推理小説としては、評価する気になれないが…, 2010/1/31
By 
gl510 - レビューをすべて見る
(トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 完全恋愛 (単行本)
この「完全恋愛」は、2009年版の「本格ミステリ・ベスト10」など、各種ランキングの上位にランクされている作品なのだが、私が読中・読後を通じて、ずっと感じ続けていたのが、「これは、推理小説といえるのだろうか?」ということだった。というのも、通常、推理小説というのは、探偵役が、結末に向けて、1枚1枚薄皮を剥いでいくように、真相に近付いていく過程を描いていくものだと思うのだが、この作品には、その過程が全く欠けているからなのだ。

この作品では、昭和20年に起こった第1の事件の真相がただちに解明された後、昭和43年に、「ナイフは2300キロの時空を飛んで少女の胸を貫く」という第2の事件が起こる。しかし、この事件については、一応、刑事は登場するものの、「刑事からの連絡はそれっきり途絶えてしまったのである」の一言で、あっけなく捜査が終わってしまうのだ(しかも、この第2の事件発生までに、全438ページの半分以上も掛けている)。 

その後の長い伏線の果ての、「彼は同時に二ヶ所に出現した」という昭和62年の第3の事件もまた然りで、平成7年に至り、突然、刑事が「新しい事実をみつけたのです」と現れるのでは、「これは、推理小説ではないだろう」と思ってしまうのだ。 

また、第2、第3の事件の謎自体は、大向こう受けのする奇想天外なもので、素晴らしいとは思うのだが、明らかにされたその真相は、いずれも、とても納得のできるものではない。特に、第3の事件のトリックは、一応、それなりの伏線が張ってあることは認めるが、これが許されるのなら、不可能犯罪は何でもできてしまう安直過ぎる禁じ手だと思う。最後に明かされる主人公の純愛の真相も、とても現実にあり得るものとは思えない。 

ただ、この小説を、純粋な推理小説として見るのではなく、純愛を描いたミステリ味の効いた一般小説と思えば、それなりに飽きずに読める作品ではあったと思う。 
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 快作です。, 2009/1/17
レビュー対象商品: 完全恋愛 (単行本)
恋愛ミステリというものを読んだことがなかったので
興味津々でした。
読後の感想としては「面白かった」に尽きます。
久しぶりに快作と出会いました。

正直、主人公の恋愛のオチについては早い段階で
わかっちゃってたのですが、ミステリの醍醐味が
「気持ち良く騙されること」であるとすると、
恋愛小説は「その想いにどこまで共感できるか」
だと思うので、そのどちらともを堪能できました。
恋愛と犯罪の、見事な融合でした。

ちなみに、早々にわかってしまった恋愛オチも、
他のレビュアーの方も書いておられるように
「誰が完全恋愛を成し遂げたのか」という視点で
見るとラストが味わい深いです。

ただ3つある犯罪の中で1つ個人的には
少し釈然としないものがあるので…
☆4つで。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 敗戦から21世紀へ−ひとりの画家の<愛>に彩られた犯罪の物語, 2011/3/31
レビュー対象商品: 完全恋愛 (小学館文庫) (文庫)
’01年から始まった「本格ミステリ作家クラブ」が主催する「本格ミステリ大賞」の’09年、第9回の受賞作。’08年、「このミステリーがすごい!」国内編で第3位、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門で第6位にランクインしている。
牧薩次というのはベテラン・ミステリー作家・辻真先のもうひとつのペンネームで、自著に登場する探偵コンビ、牧薩次・可能キリコからとった名前である。

本書は、日本洋画界の巨星のひとり、柳楽糺(なぎらただす)・本名本庄究(ほんじょうきわむ)の、戦時中の少年時代から平成の世に亡くなるまでに遭遇した3つの不可解な殺人事件をからめた、大河ドラマを思わせる一代記である。

究は戦時中に家族を失い、山形県との県境にほど近い福島県の刀掛(かたなかけ)という田舎の温泉場の伯父のもとに預けられていたのだが、敗戦直後そこで起きた米進駐軍大尉の刺殺事件がひとつ。昭和43年に、西表島の現場から2300キロ隔てた福島の山村から凶器が“飛んできた”としか思えない不可能犯罪がふたつめ。そして最後は、昭和63年、東京にいるはずの彼自身が、ある変死事件の起きた福島にいたと証言される“究極のアリバイ”事件。

これらの事件の影には、少年時代に出会った“運命の女(ひと)”小仏朋音(こぼとけともね)への果たさぬ激しい恋心がからんでいた。戦後の昭和から平成にいたる、世情・事件・企業の盛衰などを巧みにストーリーに溶け込ませながら、正統派本格ミステリーの骨格に、「秘められた愛」「親子関係の秘密」を抱えて物語は展開する。

本書は、戦後から21世紀へ−ひとりの画家をめぐる<愛と犯罪>の物語であり、ミステリー界の長老・辻真先が放つ、渾身の力作である。
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