この本を読まれた方は、関東大震災、昭和三陸沖地震と東日本大震災との共通点の多さに驚かれるだろう。アサヒグラフという名前だけあって、数々の写真(陸に打ち上げられた漁船の写真など)で当時の震災被害を知ることができ、また被災者の《生》の声なども多数掲載されていて、非常に興味深い。また、現在と過去の政府対応の違いや、原発という存在に対して考えるには格好の材料だ。少々値は張るが、言葉づかいもそのまま、当時の記事が復刻されており、大正期の文化・風俗を知る上でも資料的価値は十分にある。付録では、「バカの壁」で有名な養老孟司氏の震災に対する考察も載っていて面白い。個人は勿論、図書館や各教育施設に一冊あれば、教材としても使えるのではないだろうか。