多くの方が指摘されているとおり、画期的な本です。
著者は風水師としてとても有名な方ですが、実力のある風水師は四柱推命、易占にも通じているという話を今回、実証されました。風水の本も拝読していますが、ロー師の頭の中ではすべては繋がった一連の体系であり、バラバラなものではないようです。(ここからして、すでに日本の占いの世界と違いますね)
著者はあっさりと易経を中心とした易占は当たらない。作った文王は為政者であり、注釈を書いた孔子は学者だ、目的が違う、と明快に説明します。中国で代々の占い師が研鑽し磨いてきたものは日本でいう断易、五行易であり、その方法はシンプルに学べるし、的中するものだ、と宣言されています。おそらく日本の閉鎖的な状況はご存知なのでしょう。
ご存知ない方にほんの少し解説すると、易経を基にする占いは上下の卦より地天泰などと名づけて解釈しますが、五行易ではそのような卦の解釈をしません。時(月日)と振出した爻に五行を割り当て解釈します。つまり陰陽理論と五行理論があわさったものです。
日本に断易、五行易が知られるようになったのは江戸時代だといいます。占いの専門書の古本屋さんに行ってみてください。大量に断易の解説書があるのを見ることができると思います。それも決して安くはないです。恥ずかしながら私はその森の中をさまよってみたこともあります。
しかし、従来、日本で知られている断易は、卦の立て方はともかく、解釈が難解であり、当たればすごいが使いこなせる人は日本に数人しかいないともいわれていました。
ものすごく古い中国の本を何冊も読んでまとめた人が偉いとされ、その本を一生かかって勉強しないとわからない、とされてきました。古書をまとめたに過ぎないはずなのに口伝もあり、それを知らない人をぼろくそにこきおろす、日本人の悪い仲間内意識がはびこった世界でした。
この本に書かれている五行易の卦の解釈は、従来の断易を学んだ私からすると、あっというような平易さで、理論的です。例外も少なく一貫性があります。当然、的中率は飛躍的に向上します。本家の古代からの基礎に加え、子孫の研鑽により進歩しているのです。基礎(命・卜・相・医・山を一連のものと知る)も知らず古本にしがみついてきた日本方式とレベルがあまりにも違います。
日本で古くからやられている方法に固執すると、著者があっさり書いてあることを理解しそこなうでしょう。私も古い知識は完全に忘れ、新たに入門するつもりで読みました。
個人的には、この本は日本の易占の世界に新しい流派を開くと思います。占いはあたってなんぼです。剣道の世界が千葉周作により塗り替えられたものと同様のことが起きると思います。おそらく新しい五行易(断易)のネタ本となることでしょう。
古い技術を金科玉条とし閉鎖社会でのさばってきた諸先生方は困ったことになるでしょう。著者の前作が日本の風水界を塗り替えてしまったといって過言ではないのと同様です。
追記:この本で応機が出せないとレビューしている人がいますが、最初からバイアスがかかって、いかにきちんと本を読んでいないか証明しているようなものです。