本書はジャニーズ事務所の歴史を描いた2008年刊行の本である。同事務所は、アメリカ大使館軍事顧問のジャニー喜多川(カウンターバーを営むメリー喜多川の弟)が、「ウエストサイドストーリー」に影響されて、少年4人と1962年に設立した芸能事務所であり、以後数多くの歌って踊れる少年アイドルを輩出していることは、周知の通りである。本書の特徴として、第一に同事務所の45年の歴史を黎明期(1968年まで、ジャニーズ中心にGSブームに対抗した時期)、試行錯誤の時期(1969〜74年、フォーリーブス中心に発展した時期)、試練の時期(1975〜79年、法人登記したが、郷ひろみの移籍後ヒットするアイドルが出ない時期)、起死回生の時期(1980〜92年、たのきんトリオのブレイク以降、多くのアイドルグループを輩出した時期)、発展期(1993〜99年、落ちこぼれだったSMAPが飯島三智の努力の甲斐もあってブレイクし、以後グループの解散が少なくなる一方、所属アイドルの不祥事が相次いで発覚した時期)、近代化の時期(2000年以降、ジャニーズ事務所の問題点が社会問題になった時期)の6期に分けていること、第二に所属タレントのデビューの経緯、受賞歴、解散・引退、不祥事などのデータについて、年表風に羅列していること、第三に本書の出版元である鹿砦社が有名人の暴露本出版で有名であり、ジャニーズ事務所とも裁判になっていることから分かる通り、同事務所に関して批判的な論調が強いこと(ジャニー喜多川のセクハラ問題、薄給問題、所属タレントの風紀問題、批判者への嫌がらせなど)、またそれをきちんと論じない日本のマスコミを批判していることなどが挙げられる。鹿砦社の言い分を一方的に鵜呑みにするわけにはいかないだろうが、ジャニーズ事務所の影の部分をも含めて、その大まかな歴史を知る分には有益な本である。