薄めの本で、文量は厚めの新書程度かと思いますが、思ったより読了に時間がかかりました。
別に訳がヘタとかいうわけではありません。内容が濃いので、読みながら立ち止まって考えてしまうことが多く、どうしてもちまちました読み方になってしまう本です。
内容的には、あいかわらずサンデル先生は、社会のセンセーショナルな題材をうまく取り上げ、「自分たちと同じ耳の聞こえない子どもを作るために、わざわざ聾の精子提供者からの精子で人工授精を行ったレズのカップル」とか、「多くの音楽家たちが演奏時に、緊張を和らげるために鎮静剤を使用している」など、多くのケースを切り口に、安易な医療技術の利用が、人間社会に対して持っている危険性を冷静に深く分析しています。
遺伝子操作とかに賛同する人でも、一度読んでおいて損はないのではないでしょうか。
いろいろ考えさせられる分、読んですぐ頭から消えてしまうということがなく、自分の中に残るものが大きい良書です。