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22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ペレルマンその人の伝記です。,
By mazeppa (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 完全なる証明 (ハードカバー)
・「ポアンカレ予想」証明までの数学者の苦悩・「ポアンカレ予想」証明に至るまでのステップ これらのものを求めるなら、他の書籍を読んだ方がいいです。この本に描かれているのは、別のテーマです。 ・ソ連という体制の中でユダヤ人数学者がどういう生き方を強いられたのか ・ペレルマンの性質、彼をサポートした人たちの言動 ・なぜ、賞金受け取りを拒否するに至ったのか ペレルマンを知る人に丹念にインタビューし、彼の生き様を緻密に描き出している本です。 緻密な分、冗長さを感じることもありますが、ソ連という隠蔽社会の中身を多くの証左で描いている点で評価したいと思います。
36 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ペレルマンを描ききった意欲作,
By
レビュー対象商品: 完全なる証明 (ハードカバー)
この本は非常に面白い本です。クレイ研究所の設定した7つの懸賞問題のひとつである「ポアンカレ予想」を証明したペレルマンが、どのようにポアンカレ予想を証明し、フィールズ賞、そして100万ドルもの懸賞金をも何故辞退したのか?を丹念に描いています。 ペレルマン当人は、今では誰との接触も断ち、本人への取材ができない状態にも関わらず、旧ソビエトで育った少年時代からアメリカでの研究生活で関わった数多くの人たち(数学者や教師)たちに取材を重ね、一度も会ったことがないペレルマンを描ききっています。 そのことにより、ペレルマンに対する想像が掻き立てられ、よりいっそう面白い物語になっているように思います。 これはソビエトを母国とし、アメリカで育ち、自身も数学少女であった筆者だからこそできたことでしょう。 恵まれていない教育状況であった旧ソビエトで、その荒廃に立ち向かう大人たちに守られ、純粋培養されたペレルマンが、世間一般の規律以上に厳しい規律を自分の価値基準としたからこそ、世紀の難問「ポアンカレ予想」を証明できたことであろうことが理解されます。 題名である『完全なる』証明とは、その証明自体が完璧であったことだけでなく、ペレルマンの精神そして人生までも含めて難問を解くために完備されたものだったからこそ成し得た「証明」であったということを示していたのだなぁと感じました。 純粋な対象への興味だけで数学の難問に立ち向かった、今となっては特異な存在であるペレルマンの精神は、我々が忘れてしまったものを思い出させてくれもします。 青木薫さんの非常に上手な翻訳により、ポアンカレ予想そのものを描くより、それを解いたペレルマンという人物に焦点をあてたこの本は、文句なしに面白い出来になっています。 手放しでお薦めできる一冊です!
38 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
受けた教育と、屈辱。,
By 数学人 "ラララ" (大阪) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 完全なる証明 (ハードカバー)
ポアンカレ予想についての通俗書はこれまでに何冊か出ていますが、「完全なる証明」がそれらと異なっているのは次の2点にあります。(1)ペレルマンが受けた(数学の)初等教育について書かれていること。 (2)フィールズ賞を拒否した理由を、なるべく彼の視点に立って見ようとしていること。 私は(1)の部分に惹かれて本書を購入しました。他のレビュアーも書かれている通り、教育関係者(特に数学関係)の興味を引く記述が散りばめられています。 本書を読むのに、数学の知識はまったく必要ありません。ペレルマンの人となりを詳しく知りたい人にはもってこいだといえます。
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