わたしは関野直行さんの著作が好きで、もうかれこれ15年近く読んでいる。
関野さんの透明感ある知性が好きなのだ。
本書は関野さんのかなり久しぶりの新刊だが、
やはり読んでよかったと思う。
自分の内側に揺るがない安らぎを築くための方法あれこれが
わかりやすく書かれているが、
わたしにとって特に興味深かったのは、
“期待”について書かれた箇所であった。
たしかに、期待はストレスの素だ。
する方もされる方も苦しい。
期待は確実に安らぎを破壊する。
自分の安らぎが相手が自分の気に入るようにふるまってくれるかどうかに
依存してしまっている状態だからである。
わたしが特におもしろいと感じたのは、
一見期待だとはわかりにくいため、
やっている本人もされている側も、
善意からなのだと思い込んでいる期待のしかたについてである。
「もっとこうすればいいのに。」
「もっとこうすれば本人も楽なのに。」
これはやっている方も相手に対する愛からだと信じて疑わないだろうし、
やられている方も息苦しいな〜と思いつつも、
相手の自分への愛ゆえなんだと思うと、
ノーと言えずに必死で期待に応えてしまうだろう。
生身の相手を自分の勝手な判断で、自分の理想に近づけようとしている、
つまるところこれは、相手に対する“ダメだし” にほかならないのだ。
「今のあなたのままではダメ。」
「そのままのあなたは価値がない。」
というメッセージを相手の潜在意識にガンガンブチ込んでいるということなのだ。
これじゃあいくらこちらが相手によくなってもらおうと頑張っても、
よくなりようがないわけだ。
「今のあなたのままでもパーフェクト。
そして、もっとパーフェクトなあなたにもなれる。」
というメッセージに置き換えられる。
そして、心配と思いやりの混同について。
これはやっぱりやられている方はかなり苦しい。
だから離れる。
そうするとやっている方はなんでうとましがられるの?と傷つく。
また、これもうすうす気づいていたことだが、
心配性の人はなにがどうなっても心配するのだから、
自分が相手のいうことを聞いてあげることで、
相手の心配の種を取り除いて安心させてあげようとしても、
無駄な抵抗だということ。
やっぱり自分は自分にしかなれないし、
自分でい続けるしかない。
基本的なことだが、あらためて教えてくれた一冊である。