明治初期に多くの武家出身者が生きるために、かなりの苦労を強いられた話はよく聞きますが
この柴五郎は並大抵ではありません。まして賊軍となった会津出身。
特に戊辰戦争で母と妹の自害で亡くし、やがて残った家族と会津を離れ、冬は極寒の斗南藩での、想像を絶する極貧生活経験し、苦しい生活から抜け出すために幼年学校に入り、親孝行しながらも苦心して一人前になるまでの話は、特に中高生や若い人達にはお勧めです。
本書で面白かったのは、彼がとても冒険心が強かったことから、早くから中国大陸や朝鮮半島での探索を熱望し、やがて夢が叶いこれらの地域を馬や徒歩で、つぶさに見て回った時の探索旅行が詳しく書かれており、これら当時の地域の風土や舞台裏を知ることができます。
柴五郎を一躍、時の人にした義和団事件(北清事変)の状況も詳しく興味深いですが、彼が幼少時に起こった会津戦争や白虎隊を始め、会津勢及び新政府軍の舞台裏、エピソードも多数盛り込まれており、興味ある方にはオススメです。
本書の著者、村上氏はご高齢ながらも、文章は平易の書かれており、内容のボリュームからして、多くの取材や資料収集を行ったことがうかがえます。
歴史上の人物として柴五郎はマイナーな人物ですが、生き様をはじめ、軍人として地位と名誉を手にいれても、その人となりはいたって控えめだった人物との事。今の世の中では軍人出身は敬遠されがちですが、スポットを受けてもいい人物です。
私は、福島県民ではありませんが、会津地方の偉人の一人として、この柴五郎は語り継がれて欲しいと思います。