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宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)
 
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宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー) [単行本]

ヴィクトル ペレーヴィン , 尾山 慎二
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

うすよごれた地上の現実がいやになったら宇宙に飛び出そう!子供の頃から月にあこがれて宇宙飛行士になったソ連の若者オモンに下された命令は、帰ることのできない月への特攻飛行!アメリカのアポロが着陸したのが月の表なら、ソ連のオモンは月の裏側をめざす。宇宙開発の競争なんてどうせ人間の妄想の産物にすぎないのさ!?だからロケットで月に行った英雄はいまも必死に自転車をこぎつづけている!ロシアのベストセラー作家ペレーヴィンが描く地上のスペース・ファンタジー。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ペレーヴィン,ヴィクトル
1962年、モスクワ生まれ。20世紀末のロシアに登場して以来、絶大な人気を誇り、国外からも熱い注目を浴びつづけている現代作家

尾山 慎二
翻訳者。早稲田大学ロシア文学専修卒。現代ロシア文学その他、書籍・論文等の翻訳・編集に従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 194ページ
  • 出版社: 群像社 (2010/06)
  • ISBN-10: 4903619230
  • ISBN-13: 978-4903619231
  • 発売日: 2010/06
  • 商品の寸法: 17.2 x 12 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 320,197位 (本のベストセラーを見る)
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By 紫陽花 VINE™ メンバー
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冷戦時の米ソの月探索競争を背景に、旧ソ連の社会体制・思想への批判及びその体制下、不合理な生を強いられる一般市民の悲哀を荒唐無稽な設定で戯画的に描いた作品。"ベルリンの壁"崩壊以降に発表されているとは言え、良くここまで書けたと思う。

主人公は子供の頃から宇宙飛行士に憧れていたラモン。ラモンは夢叶って選抜されるが、その実態は...。風刺もここまで来ると怖い。本作の主題は、単に旧ソ連批判だけではなく、「現実とは何か」であり、ラモンの夢の中に出て来る熊(!)が呟く「俺もこの世も、ぜんぶだれかの想念にすぎない」であろう。恐らくグロテスクな笑いを狙った箇所でも、読んでいて薄ら寒くなって来る。それでいて、夢の中で引用される詩は美しいのである。

4回程正確に同じ文言で登場する文句、「昼食はひどくまずかった。星形のマカロニの入ったスープに、ライスをつけあわせにしたチキン、そしてコンポート」が印象に残るが、繰り返しギャグなのか深意があるのか分からない。終盤、ピンク・フロイドの話題が出て来て、「オヤッ」と思ったが、確かに「神秘」、「エコーズ」は宇宙空間のイメージに相応しい。それでいて、本作の内容と一番関連していて代表作でもある「The Dark Side of the Moon」には言及しないのである。複雑な小説作法を持っていると言える。

軽い気持ちで読み始めたのだが、一気読みしてしまった。読者を引っ張る力は凄い。高度な技法で、「内なる宇宙」、「現実と想念」の問題を描いて見せた傑作。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ソ連崩壊後のデジタル世代の作品なのに(短編集『眠れ』にはコンピュータ・ゲームに官僚システムが飲み込まれていく快作も収録されていた)、このローテクな脱力ぶりは、いつかどこかで目にしたことがある気がする。ニューシネマ時代の祖国をちゃかす合州国映画だったか、それともモンティ・パイソン?
宇宙飛行士を目指すオモンは、願いかなって飛行士としての任務を得る。しかしそれは最先端の全自動と喧伝された無人探索機に乗り込んで月に送られ、地球に帰る術もないまま、探索機を動かす自転車のペダルを踏み続けることだった。しかも、その月ときたら……。
祖国を笑いとばし、外国文化にあこがれ(ピンク・フロイドのアルバムを飛行士同士でなつかしがったり)、その先どこへ行けばいいのかまだ分からない。そんなニヒリズムすれすれのユーモアというか、ユーモラスにしかなりようのないニヒリズムというか、ちょっと他の国からは出てきようのない感性かもしれない。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ソ連に生まれた「オモン・クリヴァマーゾフ」が
パイロットをめざして航空学校に入るが、
じつはその学校は……という話。
本書はペレーヴィンの邦訳の中では
いちばん読みやすいものかと思う。
とはいえ毒と世界観が薄まっているかというと、そんなことはない。
むしろやさしい文体とシュールな世界観があいまって
じつに不思議な面白い感じになっている。
その意味では初ペレーヴィンの人は
とくにこの作品から入るのがよさそう。

ロケット話、月の話、宇宙空間での描写などが丁寧に書き込まれていて、
それでいて絶妙に適当。
さらには解説では随所のしかけについて触れられていて、
それもまた結構面白い。
分量は200ページほどだが、読み終えたときのカタルシスというか
余韻というかも深い。一読の価値あり。
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