NHKで放送されていたのが信じ難いという評価が多いようでありますが、むしろ、わたしは、この一見すると徹底した下品・脳天気の中に確かな知性と感性を感じます。視聴率の奴隷にすぎないような民放ではこうした笑いはけして紹介されない。その意味では、民放の方がよっぽど保守的とも言えるとわたしは思う。こうした過激が許されるのはNHKならでは、とわたしは言いたい。
この作品の魅力のひとつは、碌でもない男たちが数人、しかもちまたによくあるなかよしこよしグループでも、共通の目的のために集結したある種のプロフェッショナル集団なんかでもなんでもないただの寄せ集めが、ただ広大な宇宙を彷徨うだけという絶妙のシチュエーション・コメディ性にある。よって立つべき大地もなにもないこうしたシチュエーションはわたしたちの日常のメタファーとも言いうるものでもあり、しかも、そこで哲学的もの思いに沈静してしまうのでなく、ひたすらブラックで排他的で自虐的でありながら、不思議と清々しい気分の笑いに昇華させてしまうその志向性には、わたしは明日を生き抜くための勇気すら感じてしまう。
また、SFネタもかなりな程度ハードSFしており、SFファンの方にも絶対お薦めの内容になっていると思う。それも狙った効果ではあると思うが、そのハードSF性が明らかにチープなつくりと絶妙にマッチしており、つくり手の確かなセンスを感じる。世に量産されている巨大資本投下の下製作されるSF映画郡、また単にステレオタイプ化したチープ・テイスト、キッチュ路線などとは、はっきり一線を画しており、唯一無比の秀作となっている。
テレビ放送時のものを何話か録画していて、久しぶりにそれを見たところ、ちっとも色褪せないその魅力には感心しました。値段は張るものの是非とも押さえておきたいボックス・セットである。