これが19世紀に書かれたものだなんて!
と思わずにいられない。
今でも十分に通用する、全く古びていないストーリー。
とにかく描写が丁寧かつ鮮やかで、文章を追っているだけで
頭の中に迫力のある映画のシーンが浮かんでくるようだ。
映画化作品の方は観ていないけれど、
わざわざ映画化しなくてもいいのでは、と思ったくらいだ。
優れた主人公がいて活躍するヒーローものでは全くなく、
人間の無力さを痛感させる、
ドキュメンタリーのような作りもおもしろい。
全体的に淡々とした文章がやや冗長だけど、
「もし、こういうことがあったら」という仮定に寄って立った
リアリティが秀逸で、群集心理や、主人公と副牧師の諍いなど、
考えさせられる部分も数多い。
まさに偉大なるSFの祖!