前作は只管宇宙人に追われる人々の恐怖を追った陰惨な物でしたが、今回は「父と子」にも力点が置かれるとの事で期待大。しかも、私は子供の頃に児童文庫でウェルズの「宇宙戦争」を夢中になって読んだ思い出があり強い思い入れを持って見ました。
先ず、良くこの内容を二時間ちょいで纏めたなあ。良い点を上げると、トムのダメなパパ、しかも労働者階級という今まで演じた事の無い役柄が良く嵌っていた点。子供に怒鳴りつけて自分がパニくっていたり、服装その他諸々、そのダサさたるや尋常じゃ無い。その必死の演技には今までのトムを払拭する良さがあった。元奥さんが指輪物語のエオウィン姫(多分)なのにも吃驚。女優さんってずいぶん変わるものだ。子供達二人も及第点。神経質な妹を庇い父親には反発する思春期の少年、父親を信頼出来ない娘、それでも子供達を必死で守ろうと努力する姿に、彼の父性の演技を強く感じた。
また、フェリー転覆のシーン、車を奪い合うシーン、人ってこうなるだろうな、とぞっとさせる程リアリティあり。車も無く、さ迷うシーンは日本とは比較出来ない程の(ヒッチハイクなんかになったら死ぬんじゃないかと思う程)広大さを感じさせるアメリカらしいシーン。
宇宙人襲来の意図はともかく、子供の頃一番ぞっとした挿絵「血の草」。あの赤いシーンが見事に再現された時は胸が躍りました。(喜ぶシーンじゃないんですが・・)同じ想いを抱いた人もいたのでは?
不満を上げるなら、ティムとトムの掛け合いがどうも・・も少しあそこに捻ったドラマを加えると良し。ご愛嬌ですが大阪ではどうやってあの化け物を倒したんだろう・・。ラスト、ボストンの家は何故襲われていない?!等の疑問は多々残りますが、宇宙人の行く末は原作どおり。レトロな幕切れにしっかり満足。
原作を知らない、トムが嫌い、SFがキライ、非合理を憎む、友好的宇宙人が好き、二つ当て嵌まる方は見ない方がいいかも。