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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ビッグバン宇宙論がいまの地位になるまでの物語,
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レビュー対象商品: 宇宙創成〈下〉 (新潮文庫) (文庫)
下巻のほとんどは、ビッグバン宇宙論が現在認められている状況になるまで、主にフレッド・ホイルを中心とした定常宇宙論陣営との論争にそって、決着をつけた重要な観測が紹介されています。
その描かれている全てが非常に面白いと思います。 上巻から通して感じることは、理論がどれだけ立派でも、その理論から何かが予測されること、そしてそれを裏付ける観測結果がなければコンセンサスが得られず主流となる理論とは成り得ないという厳然とした事実。 気が遠くなりそうな銀河までの距離の測定の積み上げや、偶然ではあるものの妥協しない精神が発見にたどりついた宇宙背景放射の発見など、人間の知性と忍耐が獲得してきた知識の物語が非常に分かり易く、詳しく描かれており、感動を覚えるほどです。 現在理論が先行している最先端の宇宙理論(超弦理論、ブレーン理論等等)も実験や観測が追いつけば新たな宇宙像を見せてくれるのでしょうね。 また、宇宙創成以来の元素の合成過程を予測したフレッド・ホイルは、その発見自体が自分が対峙しているビッグバン理論の裏づけにもなったことや「ビッグバン」の名付け親であったことなど、知らなかったことなので非常に面白いと感じました。 ホイルは非常に優秀な物理学者だったんですね。 ビッグバン宇宙論の中心にいたガモフの性格などが対象的だったことも、これら両宇宙論の論争が傍目には面白く映る要因なのかもしれません。そのような、人物の詳細の描きかたは、相変わらず優れていると思います。 最先端の宇宙論までの紹介ではなく、ビッグバン宇宙論が現在の地位に上り詰めるまでの経緯を語っているのですが、このように登場する人間達が非常に魅力的に描かれているので、宇宙論の知識が無くても楽しめる本になっていると思います。 さすがです。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
宇宙創成の謎に挑む科学者達の極上の物語,
By デジタルディバイド (名古屋市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 宇宙創成〈下〉 (新潮文庫) (文庫)
古代の宇宙論からビックバン理論まで宇宙に対する人類の見方が長い歴史の中で変わってきた。科学技術が進化する中で、いままでの理論では説明できない事象が発見されたり、未知なる現象が予言される。時の科学者達はその謎を説明しようと奮闘し、成功したときパラダイムが変わる。科学的な考え方、発展のしくみがよくわかるのに加え、著者の広い学識のもと科学者達の格闘がスリリングに展開される極上の物語だ。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
サイモン・シンの力量ふたたび,
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レビュー対象商品: 宇宙創成〈下〉 (新潮文庫) (文庫)
最新作「代替医療のトリック」が出たばかりのサイモン・シン。その腕前は、「フェルマーの定理」で証明済みです。
で、その新作が届く前に、まだ読んでなかった「宇宙創成」を読みました。 すでにコメントもたくさんありますが、これは2006年、「ビッグバン宇宙論」という書名で出版された単行本の文庫化で、原題もずばり「BIG BANG」。つまり、宇宙創成そのものである「ビッグバン」について真正面から取り組んだ本です。 訳者もコメントしていますが、「ビッグバンもの」はもう世の中にあふれているのに、「何で今ごろ?」というのが第一印象。古くはホーキング博士からたくさんあって、一般の間でも「宇宙って、大昔に爆発してできたんだ」ってことだけは、だいたい浸透しています。 そういう感覚でこの「宇宙創成」を読み進めると、最初は確かに戸惑います。大昔にさかのぼり、名前を聞いたこともないような科学者たちの「宇宙の謎」への奮闘の歴史が続きます。 でも、それぞれのエピソードがものすごく興味深いんです。 例えば、異なる学説どおしの「血みどろ」の戦い。宇宙は「大昔から常にあったのか」、あるいは「ある時点からスタートしたのか」。その根本的な問い掛けは、以前は五分五分。というか「常にあった派」が優勢だったこともあったと。まるで「天動説」と「地動説」の対立のようです。 それぞれの学派の「証拠集めへの格闘」がまたすごい。その証拠で、「ビッグバン説」がはっきり証明されたという事実にも正直驚きました。でんど〜は、ビッグバンと言っても、それはSFのようなもので、「宇宙の始まりは恐らくそういうもんだろう」程度の概念と思い込んでいたのですが、ここまで厳密な実証の過程を経たものであったとは・・・。 さらに、「世界には始まりがあった」という説は、当然にキリスト教の「創世記」を思い起こすということで、猛烈な宗教論争も避けられません。このへん、客観的学問の極地であるはずの「科学」と、スピリチュアルそのものの「宗教」とが正面から対峙している。日本では考えられない議論のあり方にも想い至りました。 ということで、この本はビッグバンそのものというより、それを題材にして「人類の英知への道のり」を解き明かすことに重点を置いたものなんだ、ということが良く分かります。「科学史」をうんと分かりやすく、万人に提供すると同時に、ニュートンやアインシュタインといった誰でも知ってる科学者の光り輝く業績の影に、何十、何百という名も知れぬ科学者たちの「地と汗と涙」が眠っているんだと。 そういう意味で、著者サイモン・シンの力量は、「フェルマーの定理」に続き。今回も充分証明されました。 さらに評判の高い「暗号解読」も読まないといけません。「代替医療のトリック」も早く届かないかな。
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