遥かアンドロメダへと続く険しい道を着々と前進して行くテラナーの活躍を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第122巻。本巻の執筆者は安定感抜群のベテラン作家マールとダールトンです。巨大生命体モビーを操るハイパー・インパルスの発信源である送信ステーションが惑星グリームの衛星シーレンにある事が判明した。ローダンはメルバル・カソムを隊長とする特別コマンドを編成し、出撃を命じます。
『宇宙偵察機008』クルト・マール著:ローダンの作戦はツーノーザー艦の一隻を拿捕して船内に乗り込み、敵を欺いて警戒厳重な衛星シーレンに潜入せんとする巧妙な戦術だったが、計画は計算通りに行かず着手する前にコマンド隊員5名が何者かによって連れ去られてしまう。コマンド隊員5名は敵艦内でツーノーザーの捕虜となり、アンドロイドの人工生物によってカソム隊長を憎むようにヒュプノ暗示を施される。『時空を超越するもの』クラーク・ダールトン著:強力な暗示を跳ね返すテラナーの一隊員の活躍によって衛星シーレンは核爆弾で破壊される。成功に酔いしれる事なく、ローダンは次なる手として惑星グルームを基地化する事を企む。
ローダンに惑星グルームの基地化を助言したのは人類の友ハルト人イホ・トロトでしたが、ローダンの決意とともに小型艇KC38の船内に頭痛を引き起こす無気味な哄笑が轟きます。それは四世紀ぶりに人類の前に現われた惑星ワンダラーの主である旧友・宇宙の不死者でした。彼はローダンの決断を支持し再び瞬時の内に消失します。故松谷健二氏のあとがきは、シリーズに対する将来の翻訳計画の話です。昔「200巻で引退するつもり」と一部に公表されたそうですが、本書翻訳時の58歳で十分に元気なので65歳引退は早過ぎるなと思い直し、20世紀いっぱいまでと修正され、今のままが続くと信じる人間とは本性において呑気な生き物であるなと痛感されています。