●くもんジュニアサイエンスシリーズの重要なテーマは〈若い研究者のチャレンジの記録〉。とくに、宇宙や極地などスケールの大きなものへの挑戦ストーリーが多い。本書もそのテーマどおり、JAXAのエンジニアである著者が有人宇宙実験室〈きぼう〉の開発にたずさわったときの奮闘ぶりが描かれている。
●控えめできちょうめんな表現はエンジニアらしい著者の人柄がよく現れており好感が持てるが、児童向けにはもう少し大胆でかみくだいた話作りも必要だったかもしれない。
●発見の話は古くならないが、開発の話はどうしても年月と共に古くなるのは宿命である(本書の出版された2006年にはまだ〈きぼう〉は準備中だったが、その後2008年に無事スペースシャトルにより宇宙ステーションに運ばれた)。とくに児童書は長く図書館などに置かれる場合が多いので、ずっとあとから手にする読者へのメッセージなども入れておくと良いのかもしれない。