日経サイエンスでベタ褒めの書評があったため、
購入してみました。
著者の書き方の問題なのか、
翻訳上での省略などがあったのかわかりません。
とにかく、他の一般科学書と比べても、
読者の知識量にとても左右される一冊だと思いました。
メインテーマである「ビットで物理現象を解釈すること」について、
理解を助ける情報が省略されていることが多々あり、
その他方で、
原子の構造や、光の二重性を示すスリットの実験など、
よく知られた話題の解説は親切すぎる感じです。
たとえば、ある部分では
「風船のヘリウムガスは20ビットの情報を持つ」
として登場し、議論を展開していきます。
しかし、それがどうして、10でも30でもなく、20ビットなのかよくわかりません。
一応、付近にはなんとなく「粒子数が6×10^23個」という数字はあります。
でも、なぜ風船一個の粒子数はちょうど1モルぐらいと言えるのか?
あるいは粒子数のオーダーが多少違っても議論に影響が無いからラフなのか?
論拠の数字には同様の不透明さが各所でつきまといます。
おそらく、知識の深い読者が読むと、
こうした議論の整合性も、たちどころに理解できるのでしょう。
でも、ビットで物理を考えるのに不慣れな私としては
そこを懇切丁寧に進めてほしいところでした。
それでも全体を読みすすめれば「ビットの変化と第二法則の関わり」などが
薄らぼんやりとわかったつもりになれるようなムードではあります!
また「量子コンピュータ」の理解と、これまでに考えもしなかった「新しい宇宙像」が、
霞の奥から少しずつ浮かび上がって掴めそうになる感覚を覚えることもできます!
たぶん良書なのでしょう。30%未満の理解でも観点の面白さは伝わります。
私のような頭の鈍いサイエンスファンは、★2つくらいにしておきます。