とりあえず手にすると、ついパラパラとページをめくってみたくなる――そんな本である。
そのうち掲載されたジャケ写にふと目が吸い寄せられ、なんとなくページを繰る手が止まる。
そうして付された文章を読むわけだが、これが滅法おもしろい。
たとえばもしそのへんにゴロッと寝そべっていて読んでいたとしたら、思わず起き直ってしまうだろう。なんというかこちらの居住まいを正すような力がある。注釈までがいちいちおもしろい。
たぶんそれは『宇宙の柳、たましいの下着』が、単なるカタログ本ではなく、「命をかけて、迷走せざるを得ない挑戦的なロック作品を自らがジャッジし接して」きた直枝政広の自伝となっているからだ。
これはカーネーション・ファンのみならず、音楽ファンであればみんな腰を据えてじっくり読みたくなるであろう――そんな本である。
きっと読み終えたときには自らの音楽体験を誰かに話したくなるにちがいない。
ということはつまり『宇宙の柳、たましいの下着』を読むことがすでにまぎれもない音楽体験だということにほかならない。
「宇宙の柳」よ、「たましいの下着」を聴け。