技術的な話ばかりかと思いながら読み始めました。もちろん望遠鏡に関する話題も豊富ですが、ハワイに高価な望遠鏡を設置するための国内の法的な支援体制を整えるための苦労が大きかったのがよくわかりました。
例えば、すばる望遠鏡とその付帯施設は国有財産であり、それを外国の領土に設置すること自体に前例がなかったこと。あるいは天文台を管轄する文部省には予算を自由に使うことは許されず、すべて大蔵省に裁量権があること。その他、もろもろの苦労がこの本にはまとめられており、完成して最初の画像を発表した時の興奮が、読者にもよく伝わってきました。
そして昨今の行政改革が長期的視野を欠いており、また短期的な利益を求める風潮に対し、尊敬される国になるために必要な基礎研究が大切であることも理解できました。