人類が作り出した最初の恒星間航行船、バーガード号。それは人類の英知を結集した巨大で堅固な宇宙船である。バーガード号は、2119年、地球から最も近い恒星、4.3光年の彼方のアルファ=ケンタウリに向けて飛び立ったのだった。
しかし航行途中、宇宙船内で反乱が発生し、士官は全員死亡。<船>は航行不能となり、大宇宙を漂流することになった。しかも主転換炉が壊れ、<宇宙>からの放射線を防ぐ術を失った<船>の中では、突然変異体=ミューティが発生し、食糧とすべく人間たちを襲いだした!
生き残った乗組員の子孫たちは<船>育ちゆえの無知とミューティへの恐怖によって、長い年月の間に、中世的迷信の世界へと退歩してしまった。先祖たちの目的を忘れ、<船>を全宇宙と考え、<船>の外には何もないと考え出したのだ・・・
<船>生まれで<船>育ちの青年、ヒュウ・ホイランドもその「常識」を信じて疑わなかった。しかし、ミューティの知恵者・ジョウ=ジムとの出会いをきっかけに、その「常識」が誤りであったことを知る。そして・・・・・・?
ハインライン初期の傑作中篇として名高い『大宇宙』とその続編『良識』を併せ、1冊とした作品。人間の勇気と知恵、そして飽くなき探求心を描いた、いかにもハインラインらしい名作である。ハインライン未来史の一端をも成す。