各種の成功法則の本を読んでいると,以下のようにいくつかの共通した構造が
あるのに気づくと思います。
(1) 強く希求せよ
(2) 良き言葉だけを発せよ
(3) (1)と(2)を絶え間なく反芻せよ
どの本も卑近な例を中心に,「自分にもできそう」という動機づけを与えてく
れますが,実際に続けることは難しく,また,どこかで食い足らなさを感じて
いる自分に気づくこともあるはずです。
そういう段階に至っている人に本書はお進めです。あるいは,私のように根っ
から「感覚(感性)よりも理屈で納得できないと...」というタイプの思考
スタイルを持っている人にもお薦めです。
コンピュータアナロジーを用いて,量子力学の観測者問題を絡めながら,今ま
でどうも埋まらなかった消化不良部分を本書は補填してくれると思います。
分量は300ページ超と大部の本ではあるのですが,訳出のうまさで最後まで読み
通せます。
1つだけ要望を挙げるとすれば,自身の誤った信念プログラムに改善のための
パッチを当てる(=誤った信念を改善プログラムによって適切なものに置き換
えることを指して本書では「パッチを当てる」と表現しています)方法をもっ
と細かくページを割いて書き込んでおいてもらえるとさらに良かったのではな
いかと思いました。本書の続編として,パッチの当て方だけを重点的に書いた
続編が出ると良いのに,と思います。