須藤元気さんの解説に、V.ハワードの本は情報の階層構造がある、と書いてある。これは素晴らしい指摘だ。
これは、逆に言えば、この本を「分かった」と思ってはいけない、ということだ。
私もハワードの本を読んで、気づきが起こることがあるが、そのときは自分をひとしきり祝った後で「さあ、階段を1段上れたようだ。しかし、もしかしたら誤解しているかもしれないし、まだ先がある。一旦全部忘れ、頭を空っぽにして、改めて最初から読んでみよう」と、十数年読んでいる。まだ終わらないが、一生精神病院暮らしでもおかしくない私が、知らない間に人々とうまくやっていけるようになっていた。
その他、V.ハワードの特徴としては、「冗談じゃない!こんな馬鹿げたこと出来るか!」と言いたくなるような非常識(というより超常識)なことが書かれていることだ。ところが、そこが大事だったりする。
何しろ、V.ハワードの本は、読者に向かって「あなたは、目を開いたまま眠って夢を見てますよ。早く目を覚ましなさい」とショックを与える本なのだ。耐えるためには全身全霊で(かつ、気楽に)感受性・発想の転換・洞察力を総動員しないと難しいと思う。
もう一つの特徴は、よくある、ポジティブな思考やポジティブなイメージを持て、などということは言わないことだ(その点で、失礼だが、須藤さんの「自分を変える」と少し意味合いが違う)。何故ならば、ほとんどすべての人が、自分がどうなったら幸せになるか分かってないからだ。
V.ハワードは、ゴールは想像するな、ひたすら、ネガティブな感情の原因を観て切り離せ、とを訴える。(地獄を通り抜けてはじめて天国が見える。)
川口正吉訳「なぜあなたは我慢するのか」「スーパーマインド」(日本教文社)も名訳であるので、興味のある方は読まれると良いと思う。
最大の評価を与えたいところだが、「監訳」となっていたので、どういう監訳が行われたか少々不安があり、星一つ減らした。語学は苦手だが、原書を注文したところだ。