猫好きサイエンスライター、竹内薫さんの本は、何冊も読ませていただいており、どの本もそれぞれ、ポピュラーサイエンスものとして優れた仕上がりだと感じていましたが、この本は特に、竹内さんの愛猫カロアへの思いが表に出た、素敵な本となっています。ポピュラーサイエンスの本で、これほど心に響いたものはこれまでありませんでした。
猫のカロアが、最新の宇宙物理学の知見を美しく易しい言葉で、しかも的確に語っています。このような本が書ける竹内さんの科学に対する理解の深さと、文系の素養の深さを改めて実感しました。(理系の知と文系の知のバランスが必要とは、竹内さんも『シュレディンガーの哲学する猫』で述べておられますが、自らそれを実践しておられるのがよくわかりました。)
わたしも猫好きで、世代も竹内さんと同じ、しかも専門分野も重なるので、以前から好きな著者ではありましたが、この本でなお一層好きになりました。宇宙物理をまったく知らない人が本書を読んで、どのように感じられるかはわかりませんが、科学に感心のある人なら、おそらく子どもであっても十分に理解できると思いますし、竹内さんのメッセージを心で受け止めることができるのではないかと思います。しかも、イラストも含め、本全体が、美しく、楽しめるものだと思います。親しい人へのプレゼントにもしたいと思っています。