なぜ『名言集』ではなく『箴言集』なのか?
一言二言の引用ではなく、文章単位の長い抜粋でした。
長いものでは1,000文字近く抜粋されています。
日常会話の中で使わせてもらう「名言」ではなく、ものごとを洞察するヒントに満ちた、まさに『箴言』です。
『箴言』を選んだのはご本人ではなく、長年ともに仕事をしてきた小松左京事務所の方々のようです。
代表作の有名な小説から自伝・対談・寄稿・エッセイまで出典は幅広く、ファンの方でも初めて読む抜粋が少なからずあるのではないかと思います。
書名からはSFのイメージを強く受けますが、テーマはSFのみならず、文明・歴史・世界観・日本という国と日本人・科学・知識・思考法まで、とめどなく広くて深い。
スケールの大きな思考が、人間(つまり自分)の根本を見詰めるという重要で永遠の課題へと導いてくれます。
難しい話ばかりではなく、夫婦関係論や男と女の嘘の違いといったお話もあって愉しめるので、読み疲れすることもありません。
それにしても、小松左京氏の思考ダイジェスト集だけに、魅力ある文章ばかり。
これは平常心で読むのが難しい!
ワクワク感を抑えられない一冊です。