加古里子さんは私にとって妹に絵本を読み聴かせた読んであげた懐かしい記憶と共にある作家です。
子供にとってはあまりにも壮大でイメージのつかみにくい
「海」 「地球」 「宇宙」といったものを身近のところからやさしくわかりやすく世界を拡げていってくれたその絵本たちは、当時、小学校高学年だった私にとってさえも妹と一緒に夢中になれるような魅力的な内容でした。
初めて読んだ
「海」は親が妹のために選んで買い与えたものですがそのあとの2冊は自分が(もちろん妹のために!)親にねだったものでした。
そして、この絵本と思いもかけぬ再会を果たすのは、作家小川一水氏が「ゼネコンSF」(と私が勝手に命名させていただいた)という新境地を拓いた快作
「第六大陸」のあとがきの中でのことでした。
小川氏がこの本を絶賛とともに紹介されているのを目にして再読したとき、今に至っても自分が宇宙に想いを馳せるのも、SFを愛してやまないのも全ての原点はここにあったのだと改めて思い至ったのです。
この絵本は加古さんがあとがきで言うとおり「架空の物語ではなく、科学としての見識と態度をもって」(あとがきより引用)宇宙というもっとも大きな空間が描かれています。
しかしながらそこに描かれる世界の拡がりから感じ取れるのはまさに溢れんばかりのS.O.W(センス・オブ・ワンダー)。
一般的には「自然の美しさや神秘さ、不思議さに目を見はる感性」と訳されているこの言葉はSFの重要な要素とされていますが、私はそれを言葉としてではなく感覚として「解る」瞬間は「自然の美しさ、神秘さ、不思議さ」と「自分自身」とが「つながっていることを実感できた時だと思っています。
そしてそのことを自分に無意識のうちに植えつけてくれたのがこの本であったことに再読して初めて気がつき驚かされたのです。
S.O.Wは決してSFの中だけにあるのではなく現実の世界からこんなにも感じとることができるということを、
自分は「自然」の中にいるんだ、
「自然」とこんなにつながっているんだ、
ということを教えてくれる大切な一冊です。
未だに宇宙に想いを馳せるあなたに、
そしてあなたの子供たちに「センス・オブ・ワンダー」を。