国債を発行さえすれば、国の財源は増える。それを緊急の支出に、あるいは景気浮揚のために、社会資本充実の資金に充てる。償還は60年後。次代がなんとかするだろう。そんなやり方で、未来の国民にツケを回し続けている。多くの人が不安を感じながら、今年も国債が大量に発行されました。本書はこの不安に、世代会計の考え方で、数字的に裏づけをし、破綻のはっきりした形を示し、打開策をも提案しています。
無策ならば、いずれ国はデフォルトに陥ります。国の収入となる税金を上げ、国の支出となる国から国民が受ける受益額を減らすのが、対応の常道です。しかし高齢化と少子化が進み、従来のように現役世代の奮闘を期待し、負担を強いるのはもう限度です。今もある世代間の不公平な負担が、より極端になります。推計によれば、勤労して得る全収入よりも、徴集される税金の方が高いという悲惨な人生から、次代に生まれる人は免れられないようです。その為、早急に年代と相関する支出、年金・医療保険・介護保険・失業保険などの支出額を減らし、現高齢者世代に協力して貰う。また公共事業費も減額。収入は、所得のない退職者でも払う消費税をとくに増税。退職者層には過激なこれらの案には、反対が当然予想されるので、国会議員の選挙制度も世代別群に分けようという案です。
新しい世代会計の考え方の紹介だけでなく、現実の不公平な負担の重さに苛立つ世代からの悲鳴が聞こえます。ですから読者が、○退職者世代、○実質負担が大きいと計算されている40~50代の世代、○それよりもっと若い世代とで、読後感はかなり異なると思います。僕には、国債返還よりも小子化の方がスパンの長い深い問題に見えます。家族とか実子関係とかを正規の基準とせずに育児扶助し、また子の数に応じて育て上げた人の年金額を有利にするなど、柔軟で具体的な案の検討が望まれます。