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孫の力―誰もしたことのない観察の記録 (中公新書)
 
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孫の力―誰もしたことのない観察の記録 (中公新書) [新書]

島 泰三
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ニホンザルにも孫がいる。しかし、サルのおばあさんは孫を特別な存在としてとくに意識することはない。だが、ヒトはちがう。孫と祖父母とのつながりには、単なる生物的な関係をはるかに超えた、社会的・文化的な意味が隠されている。本書は、ニホンザルやアイアイの生態を研究してきた研究者が、その手法でみずからとその孫を観察した貴重な記録である。かつて孫だった人、これから孫を持つことになるすべての人へ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

島 泰三
1946年、山口県下関市生まれ。下関西高等学校、東京大学理学部人類学科卒業。東京大学理学部大学院を経て、78年に(財)日本野生生物研究センターを設立し、ニホンザルをはじめ野生動物の研究をおこなう。その後、房総自然博物館館長、雑誌『にほんざる』編集長、天然記念物ニホンザルの生息地保護管理調査団(高宕山、臥牛山)主任調査員、国際協力事業団マダガスカル国派遣専門家(霊長類学指導)等を経て、現在、NGO日本アイアイファンド代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 244ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2010/01)
  • ISBN-10: 4121020391
  • ISBN-13: 978-4121020390
  • 発売日: 2010/01
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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By ib_pata VINE™ メンバー
形式:新書
 東大全共闘を経て日本野生生物センターを設立、野生のサルを観察する生活を続けた著者による、お孫さんの「心が花のように開く奇跡としか言いようのない事件がつづけざまに起こる時代」を記録した本。サルとの的確な比較は、人間というのは、やっぱりサルから進化したものなんだな、と思うと同時に、祖父母と孫の親密な関係は人間独自のものである、ということも感じさせられます。

 サルとの関係で「すごいな」と思ったのは、例えば「霊長類における破壊衝動の根は深い」(p.28)といったあたり。そしてイヌは命令−服従型だが、サルは命令−欺瞞型でり、禁止によって人間の赤ん坊は育つことなく、禁止されると裏をかく方法を探す。だから「サルも人も命令では動かない。ただ賞賛によって動く」(p.30)と。赤ん坊が「あー」と言うと、母親も「あー」と無意識で答えるのは、ニホンザルの「鳴き交わし」と呼ばれている声のやりとりとそっくりとか(p.23)。名著『親指はなぜ太いのか』で初期人類は「ボーン・ハンティング(骨猟)」をしていたのではないか、という仮説を提唱している島博士ですが、ご自分の孫にもイワシの骨をカリカリに焼いて食べさせているのには思わず笑ってしまいました。

 赤ん坊があくびをするのは《脳がどんどん大きくなっているので、酸素をたくさん吸い込まなくてはならない》からとか(p.16)、《哺乳類にとっては、遊びは生きていることと同じ》(p.47)、複雑な遊びや役に立つことをしたいという気持は自分を越える行動をしたいということで《なんと!人は日々、自分を越えようとする動物なのだ》(p.86)とか、恐怖心の始まるのは一歳七ヶ月ころの「人見知り」だから、その後、意識ができ、言葉を持つようになると《恐怖感情が結びつく》(p.109)なんてあたりも凄い。超お勧め!
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形式:新書
島 泰三「孫の力―誰もしたことのない観察の記録 」(中公新書)を読む。本書は、ニホンザルなどの生態を研究してきた研究者が、その手法でみずからとその孫娘を観察した記録である。

的確な観察力と素直な心で孫の成長を見守る。そしてもう忘れかけた孫娘の0歳代のことをなつかしく思い出させる。今の1歳代のことは共感を生き生きと喚起する。2歳以上に関する記述は将来の時間への期待を儚い夢とともに抱かさせる。

生物学の専門家としての興味深い記述も多い。赤ん坊があくびをするのは脳がどんどん大きくなっているので、酸素をたくさん吸い込まなくてはならないのだという。生まれたばかりの赤ん坊の脳の容積はチンパンジーの大人とほぼ同じだが生まれて半年でその倍になるのだという。

また、祖父としての感受性も素晴らしい。「この赤ん坊のほほえみこそは、人は暗闇の中の光だ。この光を見ることこそが、人生の目的なのだ。この輝きを守り抜くことが、人生の意味なのだ」というのはまさしくそうだと思わせる。

「かつて孫だったすべての人へ」というのが帯のキャッチコピーだが、少なくとも「孫を持った人、もうすぐ持つ人」にはお勧めである。そして、結婚しようかどうかどうかと迷っている人、子供を産もうかどうか迷っている人にもお勧めだろう。少なくとも結婚して子供を作らないと孫も持てないのだから。
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形式:新書
日ごろから祖父母の育児参加を勧めている産科医です。サル学者、島泰三氏の愛孫との感動的ふれあいの様子が、まるで自分が体験しているかのごとくイメージ豊かな文章からよく伝わってきます。お孫さんの成長に伴う行動と思考の変化が、観察の専門家の目を通して語られ、人間関係のでき方に妙に納得させられます。しかも、ヘルダーリンの詩を扉に構成された発達段階は孫育ての実際を情感を伴った実践として教えてくれます。あとがきの最後に「未来はすでにここに、孫としてあるのだから。」という言葉はタゴールの言葉「こどもは未来からの使者である。」という真の意味をほうふつとさせます。まさに孫育ての哲学といえましょう。
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