結論から言うと、良い本だと思う。あえて難を言うと、中身が詰まりすぎて、やや総花的な感じがするが、コストパフォーマンスも高い。
著者はいろいろな角度から組織活性化のための方策を提言しているが、その背景に共通して流れているのは、「上からの押し付けで進める改革は失敗する。各個人をいかに取組みに参加させるかが改革の成功のポイントである」ということである。
総論では「組織は人なり」というけれども、実際の組織設計においては仕組みやシステムが先に来て、それに人が順応できるかどうかは後回しとなる。その結果、トップなりトップのブレーンが描く理想的な組織運営と現場の実態はいつの世も乖離したままである。
著者はその問題に対する具体的な解決策をいくつか提示してくれている。非常に具体的で良い提案であると思う。しかしながら、それらにも共通の弱点がある。
それぞれの解決策の成否は、それを運用する「人」にかかっているということだ。今は成功しても、同じスキームを別の人間で運用することになれば、同じように成功するかどうかはわからない。
著者は、これらの提案を通じて会社のカルチャーをじっくりと変えていこうとおっしゃりたいのだと思うが、道は険しそうだ。