タイトルに「経済学」とありますが、経済分析を期待して読むと肩透かしをくらうしれません。本書は学歴と収入の関係や文系と理系の収入格差、地方から東京への優秀な人材の流出などについて分析していますが、メインは統計データの解釈です。経済学でよく議論される人的資本論やシグナリング理論については後半に少し出てくるだけです。従って、教育格差と人的資本論や経済成長との関係が知りたい!といった方にはあまりお薦めできません。
しかし、扱う内容は非常に面白いです。戦前の国立一強から戦後早慶が大躍進した背景が受験制度をもとに語られたり、営業の管理職ポストが多いため理系の出世ポストが少なく生涯賃金が低くなりがちなことを指摘。また、最近話題の格差の固定化についても実証研究を交えて論証されています。身近なトピックスが多いので「私は経済が苦手で・・・」という方も安心して手にとってみてください。