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しかし、考えてみれば当然のことだが、それらはあくまで「近代の産物」でしかない。実態上、「士族授産」の手段として始まった学校教育が、いかにして国民的な価値を持つものとなり、学歴が価値あるものと見なされていったのか。本書はその価値の形成史を扱っている。帝大・早慶・その他の私学、さらには東京商大などの草創期のダイナミックな様子や、それぞれの相克などが生き生きと描写されていて興味深い。
ただ、最後にもう一章を設けて、学歴と近代日本との関係から何が見えてくるか、それを問うことにどのような意味があるのか、などについてもう少し突っ込んだ議論を展開してほしかった。「興味深い歴史のお話」で終わってしまうのはもったいない。
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