全体としてよく整理されており大変読みやすい。歴史背景や事象の説明・解説に、当事者又は要人・関係者らの書簡や日記、証言録などの引用を随所に嵌め込んでいることは、事実の補強にもなるし、我々に生き生きとした歴史感を蘇らせてくれる。著者の歴史観には基本的に賛同できるが、中でも以下は、我々に突きつけられている大問題でもある。
○大戦の総括の必要性
日清・日露戦争の成功体験にとらわれすぎて、大戦略を等閑視し装備運用に磨きをかけず、傲慢体質がはびこり破綻へと突き進んだ。この大戦争の総括を自ら真摯に行わず今日に至ったために、「自分の城は自分で守る」という主権国家の基本を忘れ未だに自立した国家になりきれずにいる。
○憲法改正の必要性
憲法第9条は他力本願、無気力を助長させると共に詭弁を弄して憲法違反を容認する風土を作り、国民の精神的支柱を脆弱化し、二枚舌を容認し、国民の倫理観を著しく堕落させている。
マッカーサー連合国軍司令官は、解任後の議会証言で、「私は日本ほど安定し、秩序を保ち、勤勉である国、日本ほど人類の前進のため、将来建設的な役割を果たしてくれるという希望の持てる国を他に知らない」と述べている。
我々日本人は、この域に再度よじ登らなければならないのだ。
本書は、60年間の我々日本国民の怠惰を叱る書でもある。