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学校って何だろう―教育の社会学入門 (ちくま文庫)
 
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学校って何だろう―教育の社会学入門 (ちくま文庫) [文庫]

苅谷 剛彦
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「どうして勉強しなければいけないの?」「なぜ毎日学校へ通わなければいけないの?」こうした疑問には、大人になった今でもなかなか答えづらい。他にも、「どうして校則でソックスの色まで決められてるの?」とか「教科書ってほんとに必要なの?」など、生徒たちの疑問は尽きない。これらに対する答えはひとつではない。これまで考えられてきた学校や勉強についての「常識」を複眼的に問いなおし、「学ぶことの意味」をふたたび掴みとるための基本図書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

苅谷 剛彦
1955年東京生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。ノースウエスタン大学大学院博士課程修了、Ph.D.(社会学)取得。放送教育開発センター助教授等を経て、東京大学大学院教育学研究科教授。わかりやすくておもしろい授業が学生たちの間で評判となり、全国3万人の大学生から日本のNo.1ティーチャーに選ばれた実績をもつ。著書に『階層化日本と教育危機』(第1回大仏次郎論壇賞奨励賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 248ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2005/12)
  • ISBN-10: 4480421572
  • ISBN-13: 978-4480421579
  • 発売日: 2005/12
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 学校の秘密, 2006/1/15
レビュー対象商品: 学校って何だろう―教育の社会学入門 (ちくま文庫) (文庫)
 「なぜ勉強するのか」や「校則はなぜあるのか」など学校にかかわる疑問は多いと思う。しかし、そういった疑問は「当たり前」という答えによって片付けられてきた。本書はそういった「当たり前」に対する疑問を出発点として学校や教育のことを考えるヒントを与えてくれる本だ。

 本書で与えられるのはあくまでも「ヒント」であって「答え」ではないという点が本書の最大の特色である。筆者は非常に分かりやすい言葉で丁寧に学校の「当たり前」を解きほぐし、学校の秘密を明らかにしていく。本書を読むことで読者は学校をこれまでと異なった視点で見ることができるだろう。しかし、そこから先は読者にゆだねられている。今の学校という制度が意味するものを知った上で学校とどのようにかかわっていくかは読者次第なのである。

 本書がこのような特色を持っているのは本書が毎日中学生新聞の筆者の連載をまとめたものであるからだろう。安易なHow toに陥ることなく、学校という社会をいろいろな観点から見る方法を中学生に持ってもらおうという筆者の思いや意気込みが伝わってくる。中学生にも分かりやすいやさしい語り口でありながら学問の持つ深さを失っていないため、大人にとっても読み応えがあると思う。学問の凄みを見せてくれる本だ。中学生はもちろん、大学生や社会人にも非常にお勧めだ。
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21 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 学校って何だろうね, 2006/3/4
レビュー対象商品: 学校って何だろう―教育の社会学入門 (ちくま文庫) (文庫)
苅谷 剛彦が、研究対象である中学生に向かって書いた教育社会学の入門書。

・どうして勉強するの?

・試験の秘密

・校則はなぜあるの?

・教科書って何だろう?

・隠れたカリキュラム

等の問題について、誰にでもわかる言葉で書かれた本。この本では、それぞれの問いに対して「答え」が提示されているわけではない。むしろ、それぞれの問いに対して子供たちが自主的に考えるように、と訴えかけている。

著者は、「当たり前」、「常識」だと思われていることを、あえて疑ってみることにより、その裏にある「秘密」を探ろうとしている。

誰が読んでも楽しめるような本。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 教育の常識を疑う, 2009/9/5
By 
レビュー対象商品: 学校って何だろう―教育の社会学入門 (ちくま文庫) (文庫)
私は著者の事をよく知らなかった。いくらかの新書だけは読んでいたが、冷静に統計などを駆使しつつ、あまり綺麗事や理念を熱く語るような事をせず、ゆとり教育や個性尊重を容赦なく批判しているという姿からは、どこか冷徹で保守的という印象(というより限りなく誤った偏見)を受けたが、そのような偏見は本書を読んで一気に消し飛んだ。

まず本書は極めて平易な文章で書かれている。どれ程に平易かというと、中学生向けに書かれているという程度の平易さである。本書は元々「毎日中学生新聞」の編集者に「自分のやっている学問を中学生にも分かるように書けますか」と言われた事をきっかけとして中学生新聞に連載されていた文章に手を加えたものなのである。こういった事情もあって読みやすさに関しては申し分がない。

著者は語りかけるような、これ以上ないほど丁寧な文体で「学校とは何か」「教育とは何か」「教科書とは何か」「校則は何であるのか」「テストは何であるのか」といった非常に根本的なテーマを語り、多くの人々が常識として疑う事もしない大前提を疑い、よく考えてみる事を促す。頻繁に「本を置いて自分で考えてみてください」と言い、読者自身に考える事を促している。本書は教育社会学の入門書とされているがこのような著者の姿勢は哲学的とすら許容できるもので、部分的には教育哲学と言ってもいいと思う。哲学とはいっても小難しいものに結び付けたいわけではなく、ただそれくらいに著者は本書で教育を語ることを通して「自ら考える事」や「常識を疑うこと」に重点を置いているという事を言いたい。哲学的な態度とはそういうものなのである。

何故勉強するのか、何故テストするのか、何故教室では皆前を向くのか、何故校則があるのか…学校の常識・前提を揺るがす問いが次々と出されるが著者はこれらについて自分の考えや答えを積極的に提示するような事は殆どしない。ただ学校ができるまでの歴史的経緯や、過去の教室はどんな風だったか、何故今こんな形の教室になったのか、人々の学校に対する考え方はどう変化してきたかなど、価値観とはまた別の(とは言え全く無関係とも言えない)事実などには多く触れ、それを考える材料として提示してくれる。

著者に自ら疑い考える事を促された読者が校則は必要だと考えるのか、校則はいらないと考えるのか、校則はいるが厳しい校則は不当だと考えるのか、そういった価値判断は全て読者自身に任される。著者が「校則はその内容はともかくとして生徒が学校に対して従順か否かだけを判断できればいい」と言う時そのような校則をろくでもないなと感じるか、だから必要なのだなと考えるかは読者の自由なのである。

著者は後書きにて自分の目的は、学校というものを徹底的に疑って現状を否定したり学校を否定したりする事ではなく、どうすれば学校の新しい可能性や考え方を引き出せるかについて色々な人が常識にとらわれる事なく議論できるようにする事だとしている。つまり著者はそれぞれの人が教育を考えるための材料と機会を本書で与えてくれているのである。この意味で本書は単なる教育を語る一冊の「教育書」なのではなく、この本自身が読者に自ら疑い考える力、一種の主体性を身につけさせる「教育」なのではないか。大人は勿論、読者として想定されている子供、中高生などにも是非読んでほしい。教育を真面目に考えたい全ての人にお薦めできる。
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