いぜんから、佐伯氏の名前は知っていた。
実際に手にとって読んだのは、この著作がはじめてであった。
学問論としてももちろん読めるのだが、むしろ、
「保守思想入門」のテキストとして読める。
私事で恐縮だが、これまで、左翼的・進歩的・リベラル的な
著作ばかり読んできた。保守を毛嫌いしていたわけではないが、
「がんこ親父の思想」と距離をとっていた。
本書で展開される「保守思想」は、いい意味で期待を裏切って
くれた。佐伯氏のそれは、「芯のある紳士の思想」であった。
しかし、この本だけではまったく不十分だ。
あくまでも「入門」である。「佐伯保守入門」である。
この本は、さまざまな著作(学問!)へとつなぐ、
ひとつの窓口になってくれることだろう。