学力低下論争を中立的な立場からまとめた本です。
著者は序章において、「学力低下について悲観的か楽観的か」「教育改革に賛成するか否か」という二つの軸を使って論者の立場を整理し、論者は主に3つの立場に分かれることを示してくれます。このまとめが非常にわかりやすい!
学力低下論争は、「学力は低下しているか?」という問い以前に、「そもそも学力とは何か?」といった基本的なところで食い違いがあり、様々な見解を読み比べて見ても、いまいち議論がかみ合ってなくて混乱してしまいがちです。
しかし、本書を地図にして読み返してみると、そのような食い違いが起こっている原因を含めて議論がすっきり整理できるようになる。
一冊目に読むべき本か、それともある程度論争に関する本を読んだあとでまとめ的に読むべき本か、ちょっと判断がつきませんが、私のように論争の迷路に迷い込んでしまった方は、本書を手にもう一度論争本を読み直してみてはいかがでしょうか。