商品の説明
30万部を超えるベストセラー『本当の学力をつける本』の著者による第2弾。今作はベテラン中学教師の協力を得て、中学生からやり直せる学力再生法も提示。前作以上に実践的な内容になっている。「子供は努力すれば確実に伸びる」と著者は熱く主張する。 (聞き手は富岡 修)
生活改善で学力も向上
──1970~80年代、校内暴力が蔓延して学校崩壊が叫ばれていた時期と比べ、最近の子供たちの状況は好転しているのでしょうか。
陰山 残念ながら、逆に悪化しています。文部科学省の統計を見れば一目瞭然ですが、校内暴力の発生件数は実は現在がピークです。かつてのように学校のガラスをすべて割るような悪質さはなくなったものの、広く深く浸透しているのが実情です。
小河 当時の学校崩壊状態も深刻でしたが、唯一の救いは、子供たちが「教師は敵だ」と思えるほど爆発するエネルギーを持っていたことでした。ところが、今の子供はその気力もない無気力状態です。
──原因は何でしょうか。
陰山 それは簡単です。寝る、食べるといった生命活動の根っこが希薄になっているからです。実は学力低下も生命力が低下することで起きる現象の1つです。
小河 本書では、学力向上メソッド以外は「早寝早起きをして、朝ご飯を食べよう」「テレビやゲームをやめて、家族で会話を楽しもう」といったごく基本的なことを中心に書きました。学力向上メソッドも読み書きや計算などの反復練習がほとんどです。当たり前のことをきちんと実行することが重要です。
──学力再生のコツは何ですか。
小河 学力低下は、小学生時代の読み書き計算の習熟不足が原因です。きっかけは1968年の指導要領改訂です。高学年で学んでいた項目を低学年で学ばせるように変えたこの改訂は「詰め込み教育」と一斉に批判を受けた。
しかし、問題はその批判への対応の仕方でした。生きる力を養う名目の下で「総合学習」「ゆとり教育」が推進されたのはよかったものの、読み書き計算の練習は軽視されたままでした。
私が教える中学校では、毎朝、簡単な加減乗の計算を100回繰り返す「百マス計算」をさせています。当初は中学生にそんな簡単なことをやらせていいのか半信半疑でしたが、やらせてみると効果はてきめんでした。基礎的な計算を反復させ、各自がつまずくポイントを明らかにして、一つひとつを地道に克服させる。そうすることで、中学生の学力再生も十分可能です。
陰山 子供にとって最も大切な時期は小学校への入学当初です。子供によって家庭環境や成長過程が大きく異なるので、「私は勉強ができない」というコンプレックスを抱く子供が出てきやすい。だから、まず大切なのは、勉強すると楽しい、気持ちが良いという実感を持たせることです。それができれば、後は多少の詰め込み勉強をさせても大丈夫です。
──最近、教師の無気力化も問題になっていますが、両先生からは大変なエネルギーを感じます。その源は何ですか。
陰山 教えることが面白いからです。教育はやればやるだけ結果が出ます。やることをやりさえすれば、子供の学力は絶対に伸びる。この事実こそ、モチベーションが保たれる最大の理由です。私はもともと教師になりたいわけではなく、理想の教師像なんていうのもなかった。ところが、それが良かった。自分で考えて試行錯誤するうちに教える面白さに気づいたからです。
( インタビュー富岡 修)
(日経ビジネス 2003/02/17 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
出版社からのコメント
この『学力低下を克服する本』では、陰山メソッド作成の初期にかかわったベテランの中学教師の小河勝先生を共著者にむかえ、今度は小・中連携で、学力向上のための具体的なアドバイスを行います。
本では、添付の「算数(数学)チェックテスト」で、お子さんが算数(数学)のどこでつまずいているかが、即座にわかるようになっています。そしてそのつまずき克服のための方法が具体的にアドバイスされています。さらに小学校の低学年から高学年さらに中学生にいたるまで、子どものつまずきやすいポイントとその克服方法を順をおって説明しています。お二人の先生の目標とするところはひとつ。子どもに自分で将来を切り開いていける学力をつけさせることです。この機会にぜひお求めください。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1958年兵庫県生まれ。80年岡山大学法学部卒。尼崎市内、城崎郡内の小学校をへて89年4月より兵庫県朝来町立山口小学校教諭。着任直後より、同僚とともに音読、百ます計算などの「読み書き計算」の反復練習による学力向上に取り組んだ。「ゆとり教育」の流れに抗する形で続いた10年以上に及ぶ山口小学校の独自のプログラムは、進学塾もないやまあいの小学校の卒業生から難関大学合格者を続出させ、「山口小学校の奇跡」と呼ばれている
小河 勝
1944年大阪市生まれ。70年信州大学文理学部卒業。大阪市内の中学校をへて86年に大阪市の教育研究所。87年より再び現場に復帰し、現在は大阪市立市岡中学校教諭。陰山先生とともに教師たちの自主的な組織「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会」に所属、「陰山学級」のメソッドづくりの初期に関わった。学力低下の波に抗する形で、中学校における学校ぐるみの学力再建に長年取り組む。何人もの子供を立ち直らせ、将来を切り開く学力をつけさせた実績があり、生徒、父母からの信頼は厚い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)